攻撃されるレベルに達していない

ザ・みそっかすな人たち。


中国ハッカー集団NYタイムズ攻撃の意味 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
ということで少し前に盛り上がってた、中国(軍と関係があるとされる集団)からハッキングされる欧米ジャーナリストさんたちであります。

 担当した記者にとってせめてもの慰めは、NYT側もハッカーの動きをつかんでいたこと。蓄財疑惑の取材が始まった当初から攻撃を予想し、通信大手のAT&Tに自社のネットワークを監視させていた。最初にサイバー攻撃らしき動きを察知したのは、蓄財疑惑の記事を掲載したその日だったという。

 ハッカーの狙いは、この記事の取材に協力した情報提供者の身元を割り出すことだったとみられている。幸い、「蓄財疑惑の記事に関連し、取材源などの秘密情報が含まれる電子メールやファイルが盗まれた形跡は見つからなかった」と、NYTのジル・エイブラムソン編集主幹は言う。

 だがそんなことは気休めにすぎない。NYTは、サイバー攻撃を予期していながら防げなかった。ハッカー集団は、NYTの社員全員のパスワードを盗み出し、そのうち53人のパソコンに侵入した。中国担当記者2人の電子メールアカウントにも入り込んだ。それどころか、ハッカーたちはまだNYTのシステムに侵入し続けている可能性もあると、サイバーセキュリティーの専門家は言う。

中国ハッカー集団NYタイムズ攻撃の意味 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

いやぁおっそろしいお話ですよね。しかしまぁ実際「手段を選ばない」のであれば有効な手法であるとも確かに言えます。どうせいシラを切り通せば証拠もあがらないし、萎縮効果を狙った脅迫としては、効率的とさえ言ってもいいでしょう。『不都合な真実』を暴いたせいで、正しく狙われるジャーナリストたち。
逆説的に、やっぱりそうして攻撃対象になること自体が、彼らの有能さの証でもある。それこそが彼らの本懐なんだから。


――で、翻って本邦の人たちはこうした被害に遭っているのかというと、うん、まぁ、あんまりなさそうですよね。
個人的に、本場たる欧米のジャーナリストさんたちと我が国のそれを比較して、その内容のレベルの違いに最も悲しくなるのがこの分野なんですよね。隣国であるはずの中国さんに対する報道姿勢の差。
例えば、政治経済の分析や評論あるいは戦場報道など、一般に「劣っている」と言われる面は結構ありますけども、そうした面ではまぁ容認できるレベルだとは思うんです。それはそもそも地の利や需要の多寡があるからだろうし、だから欧米をはじめとしたアフリカ・中南米・中東などなど、そうした面でレベルが低いというのはまぁ別に仕方ないことだと思うんですよ。
しかし、中国のこうした取材においてもほぼ完全に出遅れているのは、正直とても悲しくなるレベルの差だよなぁと。重要な隣国のことさえ出遅れているという点で。それってとっても内向きな日本的な風景だと言ってしまってはそれまでではありますが。
約束された大気汚染 - maukitiの日記
先日の大気汚染もそうだったし、政治汚職や政治弾圧など、大抵は中国のその『不都合な真実』を欧米の報道の後追いで知ることになる私たち。ただ単純に興味がないというわけでもなくて、隣国として経済交流は厚いし、アカデミックな研究分野では日本もかなり存在感もあるはずなのに。
――にも関わらず、こうした『報道』となると、それはまぁご覧の有様に。だからこそ、よく解らない陰謀論的な『日中記者協定』の存在に繋がってしまうのでしょう。


中国国内のメディアのように弾圧されるのでもなく、欧米メディアのようにハッキングされるわけでもなく、ただただ予め配慮する。攻撃対象にさえならない。
いやぁ喜べばいいのか悲しめばいいのかよく解りませんよね。