笑ってはいけないイタリア

ででーん。


イタリア総選挙による政局の行き詰まり、欧州に衝撃広がる 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
イタリア選挙:緊縮策を有権者拒否、五つ星が躍進-不安が再燃 - Bloomberg
コラム:ユーロ圏再び混乱、イタリア人は「正気か」| コラム| Reuters
ということで、うわぁなんだかすごく愉快なことになっちゃったぞ、なイタリアさんちであります。以前からずっと言われているように、その規模からいってギリシャの比ではないユーロ第三位たるイタリア危機のインパクト。

イタリア人は正気なのか──。ユーロ危機の再燃を招きかねないイタリア総選挙の結果を見て、金融市場やユーロ圏各国はこう思ったに違いない。イタリアの有権者の半数以上が、2人の「コメディアン」のどちらかに投票したからだ。

1人は本物のコメディアンであり、市民団体「五つ星運動」率いるベッペ・グリッロ氏。そしてもう1人は、イタリアを崖っぷちに追い詰めたベルルスコーニ元首相だ。両者は反ユーロを掲げるポピュリストでもある。

コラム:ユーロ圏再び混乱、イタリア人は「正気か」| コラム| Reuters

なんて身も蓋もないことを。特にコメディアンたる「五つ星運動」なんてそのマニフェストにはとんでもない物が並んでいたわけですよね。
「ユーロからの離脱」「国際平和維持活動からのイタリア軍の完全撤退」「インフラ投資の停止」「移民への市民権付与の停止」
いやぁこんなマニフェストを掲げる政党が上院下院のどちらも1/4近く占めるなんて、まさに「正気か?」と言われるのも無理はないお話であります。……いやまぁそれを私たち日本が笑えるのかというと大変耳の痛いお話なので以下略。


しかしまぁ元々イタリアさんちと言えばあのファシズムの元祖という政治的伝統だけでなく、現代におけるポピュリズム政治の元祖の一つでもあったりするんですよね。故にこの結果が不思議なものかというとやっぱりまったくそんなことはないわけで。だからこそ今回の件にしても「イタリアだから仕方ない」的なことも同時に言われていたりもすると。
まさにベルルスコーニさんは――その威光はかなり衰えたとはいえ――そんな現代イタリアのポピュリズム政治の申し子といっても過言ではないわけで。(ACミランのオーナーである彼が)サッカーの応援用語から引用した「フォルツァ・イタリア(がんばれイタリア)」なんていう愉快な政党を第一政党にまで押し上げた彼の手腕は、やはりイタリア政治の中でも別格ではあるのでしょう。混乱期にこそ輝く彼の手腕。ポピュリズム政治の先駆者たるベルルスコーニさん。


あの時と同様に、再びイタリア政治はある意味でヨーロッパの政治状況の最先端を走っているように見えるのは、正直とても愉快な構図だなぁと。あの問題児たるギリシャでさえ、何だかんだ言いつつもいざ選挙ではああして落ち着くところに落ち着いたのに。しかし伝統あるイタリアはそうではない。政治的混乱に定評のあるイタリアは伊達ではなかった。
今回もまた「後に続く」国が出ることになるのか。


フォルツァ・イタリア