まだそれでも生贄は足りなかった

縮小日記。1400人程度の命じゃ説得力がなかった。


シリア問題めぐり予定外の米露首脳会談、物別れに終わる 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
米大統領がシリア軍事行動に向けた姿勢崩さず、G20内の溝浮き彫り| Reuters
ということで見事に分裂を露呈するだけに終わったG20であります。

ホワイトハウスは、G20内の10カ国とスペインを加えた11カ国が「強力な国際的な対応」を求めたとしている。

11カ国の内訳は、オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア、日本、韓国、サウジアラビア、スペイン、トルコ、英国、米国。

オバマ大統領はこの日、ロシアのプーチン大統領と20分にわたり会談したが、両者の溝は埋まらず、シリア問題に関する共同声明の発表も見送られた。

米大統領がシリア軍事行動に向けた姿勢崩さず、G20内の溝浮き彫り| Reuters

そんな「賛成陣営10カ国」対「反対陣営9カ国」というほぼ真っ二つな状況。いやぁあまりにも見事すぎる光景でありますよね。


ともあれ、まぁ多くの国から公正な調査として国連調査が求められていたりしますけども、別にそれでなにか真実や正義が明らかになるわけでもないわけで。つまり、結局こうした意見の分かれる重大な国際問題において『調査結果』が果たす役割というのは「反対派を黙らせる」ことではなくて、「味方や中立の人びとへの説得力を確保する」という点にあるわけです。その意味では、近々なされるであろう国連調査ではおそらくそうした『説得力』は――国連の存在意義からいって――あまり大きなモノにはならないのでしょう。
かくしてアメリカは、その国連調査の結果をして「やっぱりあったんだ!」と言うだろうし、一方のロシアは「政府軍も使ったが、反政府派も使った(かもしれない)」という主張をすることになる。問題は上記のように両者の意見が直接にぶつかり合うのではなくて、果たしてどちらがより「味方と中立に対して説得力があるか」という構図であります。




二人は別にその意見を直接にぶつけ合うのではなく、お互いに背を向け、自身の主張を聴衆に叫ぶのです。
「諸君、軍事介入のための生贄はこれで十分だろうか?」