逆向きの『万里の長城』

そうよ、あれは装甲板ではなく拘束具なの。


中国を変えるのは現実派か理想派か | ニューズウィーク日本版編集部 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
先日の日記で書ききれなかった中国さんちのお話。

 GFWは英語のGreat Fire Wallの略、つまりは「防火長城」のことだ。中国古代の万里の長城は外敵の侵入を防ぐのが目的だったが、中国共産党が作ったこの「長城」は防ぐ対象は何と人民だ。万里の長城に対するこれ以上の侮辱はない。

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確かに言われて見れば皮肉なお話ではありますよね。中国人民の膨大なパワーを抑え付けるための拘束具。
一進一退を続ける中国「国内」での戦い。私たち日本からのように、端から見ると膨張主義やら現状打破主義やら覇権主義やらが目に付いてしまう中国さんちではありますが、しかしやはり中心となるのはこうした戦いの方なのでしょう。軍事費の問題にしても、国内向けに用いられている分がかなりあるとずっと言われてもいますし。


 安替の理想論の根本にある24年間何も変わらなかったことへのいら立ちは、冒頭の喩氏のコラムにもにじみ出ている。喩氏は今週号のNewsweek日本版に「ホワイトハウス陳情殺到事件」の記事を寄せてくれた。中国政府への陳情が事実上機能しなくなったことで、中国人の陳情がホワイトハウスや台湾に向かっている現状を紹介する興味深い記事なのだが、これを読む限り中国人全体のいら立ちもまた、かなり臨界点に近づきつつある。

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国内ではなく海外に声をあげ、そしてそのリアクションを再び中国国内へと帰ってくることを期待する中国の人びと。まさかの逆輸入であります。
この辺りに関しては、先週辺りにニュースにもなっていましたよね。
[FT]米政府サイトに中国人からの嘆願殺到  :日本経済新聞

■ネット上の悪ふざけに批判込める

 この悪ふざけには中国の国内政治に対する批判が込められている。中国市民は国内に実在する信訪局でこそ、こうした陳情を取り上げて欲しいと望んでいるのだ。中国のすべての省都には苦情申し立て事務所が設置され、嘆願件数が年間数百万件に上ることも多い。地元での対応に不満な場合には、北京の国家信訪局に訴えることもできる。

 3月の全国人民代表大会の時期には、国家信訪局には国中から陳情者が押し寄せる。

 だが、一部の省は批判によるイメージ悪化を懸念し、住民を不法に投獄したり、北京への移動を禁じたりするなど国家当局への嘆願阻止に莫大なエネルギーを浪費している。

[FT]米政府サイトに中国人からの嘆願殺到  :日本経済新聞

この歪な状況は、果たしていつまで続くのでしょうね。