「言葉を葬れば、手が動き出す」

と、その創始者*1は仰っていたわけで。



http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130929/k10014891281000.html
そういえば今更ではありますが、案の定と言うべきか、エジプトさんちは不安定なまま膠着しつつあるそうで。まぁ大統領選挙まではこのままなのだろうなぁと。

国連総会で事実上のクーデターのあと混乱が続くエジプトの外相が演説し、イスラム組織ムスリム同胞団の徹底した抑え込みは民主化を進めるためだと主張し、国際社会の理解を求めました。

エジプト暫定政府のファハミ外相は28日、ニューヨークで開かれている国連総会で演説しました。
そして、7月に軍による事実上のクーデターでモルシ政権を権力の座から追い落としたことについて「エジプト国民の意思だ」などと主張しました。
そのうえで、「われわれには政治プロセスを完全に実行に移していく決意があるが、まずは治安を維持し、われわれの努力を妨害しようという行為に立ち向かうことが最優先だ」と述べ、モルシ政権の母体であるムスリム同胞団の徹底した抑え込みを正当化しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130929/k10014891281000.html

まぁ実際、ならば『ムスリム同胞団』にどう対応すればいいのか、と言われると困ってしまうお話ではあるんですよね。今後の展開として、彼らより優しく扱えば安定化が望めるのか、それとも徹底的に弾圧すれば安定化が望めるのか、というある意味で究極の選択がそこにはあるわけで。
そもそものお話として、根本的にその『ムスリム同胞団』という組織に対する評価が難しい故に。


彼らが90年代以降からは穏健路線を採っているのが明らかな以上、欧米の皆さんが言うように確かに「弾圧で応える」というのはまぁ薮蛇になりかねない対応だというのはその通りなのでしょう。穏健派が主流となった、少なくともムバラク政権以降において、彼らがテロなどに直接に関わったという証拠はほとんどないと言っていい。
その一方で、同胞団の元々の来歴はもちろんのこと、また現在でもモルシさん時代にあった例のルクソール知事の任命などを考えるとやはり間接的にも完全に無関係であるとは言えないわけで。だったら国民の少なくない支持がある内に、できるだけ弾圧を進めてしまおう、という軍のやり方は――もちろんその道義的な是非は置いておくとして――政治的に見てそこまで間違った手法ではないのかなぁとも思うんですよね。少なくともアルジェリアやシリアの例を見る限り、国民の広範の支持が最低限あるのならば結構無茶な弾圧を進めてもそれなりに容認されてきたわけだし。つまり、国民たちの広範な意見として存在した「とにもかくにも国を安定させて欲しい」という素朴な願いは、現在のエジプトでも同様に見られる。かくして実際にそんな両国の「徹底的な弾圧」というのは長期的に見て、そこそこ成功した。



さて、エジプトは一体どこへ行こうとしているんでしょうね?