よろしい、ならばこれは戦争ではなく懲罰だ

夷狄のくせになまいきだ。



「李首相がロンドンで講演「中国人は平和を愛する」」 News i - TBSの動画ニュースサイト
中国の李首相、英シンクタンク向けて演説 - 中国国際放送局
ということで相変わらず愉快な中国さんちの物言いではあります。でもバカにして笑ってるだけじゃ寂しいので、以下「なぜ中国さんちはあんなに全方位でケンカを売っているの?」についての適当なお話。

さらに、「中華民族は平和を愛する。過去30年余りの中国の発展は平和で安定した国際環境のおかげだ。平和的発展の道を歩むのは中国人民に巨大なメリットをもたらすともに、国と国の間に共栄を実現させた。歴史が証明したように、戦争は人間の知恵の失敗であり、平和は災難と苦しみを反省することによる結晶である。中国は引き続き平和発展の道をゆるぎなく歩み、互恵共栄の開放戦略を実行し、『与隣為善、以隣為伴』(隣国と善き関係を持ち、隣国をパートナーとする)の隣国政策を堅持し、各国と共に、恒久的、平和的な国際環境をつくることに力を尽くしたい。しかし、紛争や、平和を損なう行為に対しては、強力な措置を講じて、それを制止し、世界の平和と安定を維持していく」と強調しました。

中国の李首相、英シンクタンク向けて演説 - 中国国際放送局

でもまぁ彼らがこうした言説を完全に建前だけで用いているのかというと、やっぱりそうではないのだと思うんですよね。おそらく彼らはある程度までそう本気で信じている。
実際、彼らの『中華思想』というのは「好戦的」というよりは、むしろ「平和的」とさえ言える側面は確かにあるのです。もちろんその地位を(渋々ながらも)認め、相入れない運命のライバルとするアメリカに対しては彼らは堂々と対抗する覚悟はあるでしょう。しかしそれは彼らから見て格下と認識している周辺国に対しても同様かというと、決してそうではない。
神島二郎先生が言うところの『同化元理』を体現する中国について。
なぜ最近の中国が、日本やベトナムやらフィリピンあのような行為をしているのか。やられる側の私たちにとってはまったく理解できない話ではありますが、しかし彼らにとっては決してそのような好戦的な意図はないんじゃないかと思うんですよね。むしろそれは本気でなく、ただただ示威や見せびらかしでしかない。つまり、彼らは本当にそうした国々は自身がその国力を「見せびらかす」ことで平和的に相手を圧倒しようとしているんですよ。中華思想の根本にあるもの。それはよく言われているような、単純に力づくの支配とは微妙に違うモノなんですよね。
自身の素晴らしき文化や富を見れば、相手は自ずから平伏するに違いない、という確信。
だからこそ、彼らはああして――私たちから見るとまったく理解できない――示威行為を繰り返す。まさに戦争ではなく平和を求める故に。
そもそも彼らにとっては本来は「力づく」をする必要すらないのです。だってそこに明白な上下関係があるのだから、相手が察して平伏するのが当然だろうと。それなのに、周辺国はまったく現代の中国の威光をかつてのように認めようとしない。おかしいではないか。ここまで「見せつけて」いるのに何故我々に敬意を払おうとしないのだ?


ガンダム運命で有名な愉快なセリフとして「僕に撃たせないで」というのがありましたけども、ぶっちゃけ現在の中国のさんちの内心としては似たような所にあるんじゃないかと。
――僕が撃てば勝つのは当然なのだから、そのような無駄な行為をさせるべきではない、なんて。
端から見ると明らかに自身が騒動の中心に殴り込んでいっているにもかかわらず、しかしそんな自覚はない人々。その上で、そんな愉快なセリフを(正しい意味での)確信犯として堂々と開陳している故に、その「中華民族は平和を愛する」というのも本気の言葉でもある。


驚異的な経済成長を遂げた現代中国というのは、別に強くなったから急に膨張思考を表出させたのではなくて、あるいは戦争をしたいからでもなく、無用な戦争を避けるためにこそ、彼らはああしてあからさまな挑発行動をとるんじゃないかと思うんですよね。まさに現在のように振る舞っているからこそ、中華民族は平和を愛していることが証明されている、と。


いやまぁそんな中華思想を時代遅れでバカな価値観と言うと本当に身も蓋もないんですけど。
みなさんはいかがお考えでしょうか?