イスラム過激派の「Hello, world!」

(しばらく微妙に時間がないので小ネタ進行)
アルカイダの派生組織らしい成功戦略。


日本人男性、シリア武装勢力が拘束か ネットに「尋問」動画 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで、日本人関係者の被害が出たそうで。とりあえず無事をお祈りしております。
ジャップ「He is a Doctor.」→ISIS「それPhotoshopな」 【2chまとめ】ニュース速報嫌儲板
でもまぁこの騒動で改めて感心したのはやっぱり彼らのネット戦術の方だよなぁと。雑コラ送られて「photoshop」なんて返事されたら確かに笑うしかない。いやまぁ実際彼らもそうやってそこそこな出来のコラ作ったりしてるんですけどね。



ともあれ、でもこうしたネット上の『交流』って――私たち日本人にとってはともかく――多くのイスラム移民を抱える欧米の関係当事者たちにとってはかなり笑い事じゃないんですよね。つまり、私たち日本人ですらこうやって交流できるということは、それこそ欧米社会に住むイスラム原理主義に興味を持つ人たちにとっては更に影響を受けやすいということでもあるわけで。まさに彼らの前身であったアルカイダさんなんかは10年ほど前からそのネット戦略こそが勢力拡大の重要な役割を果たしていたわけです。
――つまり、ネット上で仲間を勧誘する。
アルカイダさんの登場以降、特にアメリカやヨーロッパ現地でのスカウト活動が活発化したのにはこうした要因も大きいのです。ヴァーチャル世界から生まれるイスラム過激派たち。それは実際に『現地』に行くよりもずっと簡単に交流できてしまう。
米記者処刑のIS戦闘員、「英国人の可能性大」 英首相 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
同じく現在大きな話題になっている米国人ジャーナリストの処刑人も英国人だったりしてるそうだし。
ここで難しいのは、かといってそうしたサイトを潰せば潰すほど欧米陰謀論者な人たちが好むように「アイツらは自由を謳いながら、こうして都合の悪い主張を消去するのだ!」とより一層元気になってしまう点にあるんですよね。だからといって殊更に擁護するつもりもありませんけど、アメリカやらイギリスやらで政府機関によるネット監視がどんどん進んでいるのもこうした背景が一つとしてあり、またこうした事実が逆説的にネット監視政策推進の『正当化』にも使われているという現実は、認識しておくべきだよなぁと。


あなたの隣近所のムジャヒディン。あちらに住む人たちにとってやっぱりそれはただの笑い事じゃなくなっているんですよね。