このままじゃAfPakの二の舞をダンスっちまうぜ

アフガニスタンでの失敗の再演。次は「SyIraq」とか呼ばれちゃうかもしれない。


CNN.co.jp : シリア政権、「米国の支援受ける用意」 過激派との戦闘で - (1/2)
そういえばアメリカのIS攻撃に関してアサドさんがものすごく愉快なことを言っていたそうで。

(CNN) シリアのムアレム外相は25日、米国などの軍事支援を受け入れ、国連と連携して「テロリスト」と戦う用意があると表明した。
これに先立ちシリアとイラクで勢力を広げるイスラムスンニ派過激組織「イスラム国」は24日、シリア北東部ラッカ県の要衝となっていたタブカ空軍基地を占拠し、実質的に同県全域を制圧した。
シリア国営テレビは、軍が同基地から退避して態勢を立て直し、同地でイスラム国との戦闘を続けていると伝えた。同基地にあった戦闘機は、イスラム国に占拠される前に別の場所に移されたという。
シリアのムアレム外相は米国などの軍事支援受け入れを表明する一方で、「対テロ作戦はシリア政府と連携して行われなければならない」と述べ、シリア政府に無断で一方的な作戦や空爆を行うことは認めない姿勢を強調した。

CNN.co.jp : シリア政権、「米国の支援受ける用意」 過激派との戦闘で - (1/2)

まぁ相手の弱みにつけ込んだ上手いことを言うなぁとくすっとしてしまうお話ではあります。敵の敵は味方なのか?


でもまぁこれってアメリカ――オバマさんにとっては、いつか見た風景そのもので正直まったく笑えないんですよね。つまり就任当初に(前政権から続く課題として)直面したアフガニスタンパキスタン国境での構図そのまま。
そもそものお話として、アメリカがアフガニスタンタリバンを殲滅し切れないままグダグダと長期駐留し続ける羽目になったのは、アフガニスタンからパキスタン側へ逃げ出した敵をまったく追撃できないまま放置するしかなかった点にあるわけで。どんだけ排除しても彼らは訓練と休養を「国境線のあちら側」で重ねては再びアフガニスタンにやってくる。ところがオバマ政権はそんな重要なパキスタン政府との関係維持にものの見事に失敗した。かくして、そのアフガニスタン問題を語る時には有名なフレーズとして『AfPak』問題が言われ続けてきたのでした。
――翻って、現在のシリア内戦から派生したイラク(あるいはイラクから派生したシリア)におけるイスラム国の台頭ってまぁそんなアフガニスタンパキスタンの関係そのまんまなんですよね。国境の向こう側が見事に安全地帯=聖域となってしまっている。
だからシリア=イラク問題でひたすらオバマさんの腰が重かったのは軍事的にもそれなりに擁護できるお話ではあったのです。だってどれだけ相手を攻撃しても「国境線のあちら側」に逃げたのを追撃できなければほとんど効果があがらないのだから。そしてまさにオバマさんだからこそ、自身の戦争であるアフガニスタンでそれを嫌と言うほど理解しているはずなのだから。
まぁそれなのに、こうしてなし崩しに介入に踏み切らざるを得なくなっているのが、現状の間抜けさをより証明してしまってもいるんですけど。



ともあれ「空爆の失敗」と言うのはあのバルカンなどを筆頭――効果の上がらない限定的空爆だけしたらむしろ地上での虐殺行為は加速した――に一杯あって、周辺国の協力なりあるいは地上軍なり、どちらにしてもただそれだけでは何も解決しない。どれだけ気を付けても誤爆は絶対に避けられないし。
イラクとシリアの聖戦主義者:イスラム国を止めろ:JBpress(日本ビジネスプレス)
もちろんイスラム国を止めるという目的自体は国際社会から多くの賛同を得られることでしょう。しかしだからといってそれは必ずしも、国内的にも国際的にも、手段がフリーアンドであることを意味しない。

これは厄介な問題を投げかける。国際的に認められているイラク連邦政府イラククルド自治政府は、オバマ氏に介入を要請した。だが、シリアでジハード主義者を空爆することは、別問題だ。シリアを空爆すれば、オバマ氏は法を犯していると批判されると同時に、バシャル・アサド大統領の宿敵を攻撃することでアサド政権を支援していると非難されるだろう。

 その一方でアサド氏は、西側は遅ればせながら、同氏がすべての人の本当の敵に対する最後の砦であることに気づいたと嘲笑うだろう。

イラクとシリアの聖戦主義者:イスラム国を止めろ:JBpress(日本ビジネスプレス)

いやぁ中東情勢は複雑怪奇であります。


既存の『国家』でないからこそ、彼らは国境線を容易く無視して移動する。ところがそれに対応する人々は、どうやってもその国境線を無視できない。
がんばれオバマさん。