「壁を打ち壊せ!」の成功から25年

壁は移動しちゃいました。


ベルリンの壁崩壊から25年、写真で比べる当時と今 写真12枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでベルリンの壁崩壊から25年だそうで。四半世紀。そんな世紀の一大イベントに際して当時のヨーロッパには、それはもう未来への希望・楽観的な空気が多数派になっていくわけですよね。冷戦時代に強いられてきたアメリカの「安全保障の傘」も必要なくなり、これからはヨーロッパが政治経済そして軍事を一つとして欧州連合としてやっていくのだ。
そしてその矢先にまるで狙ったかのように――要因の一つが冷戦終結だったので当たり前ではあるんですが――自らの庭である一連のバルカン半島の危機が発生し、彼らはそのチャンスに飛びつくのです。
「ヨーロッパの問題は、ヨーロッパが解決するのだ」なんて。有頂天なヨーロッパ。
ところが、結局当時のヨーロッパは自身内部の問題を自分たちの手で片づけることができなかったわけで。軍事的側面の大きい国際危機に対処することができなかった。相手が軍事面のパワーを持ち出すような相手には、文字通りこちらも対抗できるだけの軍事力の裏付けがなければ、相手と駆け引きすらできない、という初歩的な事実を理解していなかったのです。自前の軍事力のないヨーロッパの限界。


かくして彼らは有頂天のままに乗り出したユーゴスラビアでは、まぁ見事にミロシェビッチに手玉に取られた。
そして現在、同じような有頂天から乗り出したウクライナ――その国はヨーロッパの一員になるべきである――でも、まぁ見事にプーチンさんに手玉に取られつつある。いやぁ成長していないなぁ。
ウクライナ親露派、前線の戦力増強 砲撃激化で全面戦闘の恐れ 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
まさにウクライナに東部には再び『壁』が出来つつある現在。ヨーロッパ大陸が名実ともに新たなステージに入ったあの一大イベントから25年、結局同じような問題で同じように躓いているのは、ヨーロッパさんちの有頂天による自業自得で愉快なお話だよなぁと。


彼らは壁を壊したものの、25年経ち再び生み出しつつある。でもまぁ昔より東に出来たので勝利ということは出来るかもしれない。次は『ドネツクの壁』ですかね?
がんばれヨーロッパ。