傲岸さはロシアの罪、それを見抜けないのはヨーロッパとアメリカの罪

甘かった、何もかもが。ソ連時代の記憶はもう忘れたかい?




http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41752
タイトル思いついた時点で大勝利感なので、あとはもう特に書くことがないので以下適当に。

この苦境に対する解決策はあるのだろうか? すべての可能性――追加制裁、ウクライナに対する莫大な経済支援と場合によっては軍事的支援、あるいは全く何もしないこと――はリスクを伴う。だが、西側諸国は、今付き合っていかねばならないロシアの率直な評価から始めなければならない。

 今のロシアは、自国は歴史的な不当行為の犠牲者だと考え、西側の中核的な価値観を拒む。また、自分たちには行動するだけの強さがあると感じている。

 今のロシアの指導者は、こうした強い感情を権力を確保する方法と見なしている。そのような支配者は彼が初めてではない。プーチン大統領のロシアは危険な隣国だ。西側はポスト冷戦の最後の幻想を捨てなければならない。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41752

まぁこの辺はウルフ先生らしい概ね真っ当な意見ではあるかなぁと。
ウクライナは犠牲になったのだ - maukitiの日記
先日書いたウクライナ日記のコメントでも触れた方がいたように、やっぱり今回の危機ってロシアがどうこうというよりはそれはもうひたすらにヨーロッパの側がロシアを「甘く」見た結果だよなぁとは思います。ロシアの能力というよりは、その意思と覚悟を。彼らはかつての超大国であり、現在が相対的に衰退していると自覚しているからこそこれ以上の後退を異常に恐れているのにね。
――故に彼らは攻撃的な侵略国家というよりは、むしろ自己生存の為には手段を選ばない独立志向の強い防衛国家であると冷戦後からずっと言われ続けてきたのです。
それはチェチェンユコス事件、オレンジ革命後のウクライナ、あるいはグルジアの騒乱などの事例を見れば明らかだったはずなのです。そうした行為が対外イメージの悪化を招くことを解っていながら、しかしロシア=プーチンさんはそんなことは「まったく」気にしておらず、自己防衛の為ならば手段を選ばなかった。同時にまた、そうした振る舞いが伝統的な『強いロシア』を守ることだと保守的な国民から支持されていることも。
その意味で言えば、下手にウクライナに手を出したらロシアが(非正規による)軍事的なオプションも躊躇わない、ということがもし事前に解っていればこんなことには、おそらく、なっていなかったのではないかと。


「ロシアは最も危険な隣国である」でも、以前も書いたようにこんなことはずっと言われてきたお話ではあったのです。何で見抜けなかったんでしょうね。いやまぁそんなロシアへの偏見というか希望的観測な甘い見方はヨーロッパにずっとあったし、もっと言えば古今東西国際関係上の大きな悲劇って大抵そうした思い込みから始まってしまうのが常でもあるんですけど。
テロ戦争で忙しくてロシアを甘く見ちゃったんですかね?