放射能恐怖症の人たちが犯した最大の罪

光の速さな流言飛語の時代だからこそ大事なこと。


東日本大震災と原発事故発生から4年 風化を懸念 NHKニュース
ということであれから4年だそうで。現地以外の人びとや、日常的にかかわりのない人たちにとってはもうかなり風化してきた感はやっぱりあるかなぁと。確かにそれは尚も苦難を抱える被災者たちへの支援の低下でもありますが、同時にそれは狂乱していた人たちのある種の沈静化でもあるわけで。
放射能恐怖症 (radiophobia) は認知バイアスのひとつ - Togetter
ふざけるな #青プリン - Togetter
……お、おう。「放射能恐怖症」ですって。まぁ私たち人間がそうした目に見えない脅威に対し恐怖感を(半ば本能的に)覚えてしまう、というのは当時から言われていたお話でもありますけど。
ただそれを過去の振る舞いに対する自己正当化に使うと、それこそ黄禍論や反ユダヤといった人種差別や宗教差別からテロリズム、そしてほとんどの全ての大虐殺――それこそホロコーストまでほとんど何でも正当化できてしまうわけで。実際ああした『蛮行』の多くは(それこそ人間が本能的に持つ)恐怖感を解消する為に、あるいはそれを大義名分としてやっていたわけで。見知らぬ他者がこわい、異人種がこわい、異宗教がこわい、敵がこわい。
多くの人が指摘していますけども、それを「あの時は恐怖に駆られて興奮していたから仕方ないよね」とやった側が言ったら全力パンチされても仕方ないレベルでしょう。


ともあれ、まぁ振り返って見れば、やっぱりインターネットが果たした役割は上記「恐怖症」を拡散すると言う意味でやっぱり大きかったよねぇと。ただそれも無理もないお話ではあるのです。だってまさにインターネットは情報革命の根幹であり、つまり私たちが得ることのできる虚実様々な『情報』量は飛躍的に増大したから。しかし一方で、私たちの処理能力そのものが進歩したわけでは絶対にない。情報だけあってもそれを正しく扱えるわけではない。
「東北関東大震災に関するデマまとめ」のまとめ - Togetter
そして今の時代は、光の速さで流言飛語が広まる時代でもある。
――となると重要なのは、それら情報を客観的・中立的に解釈し発信することで助ける専門家たちでもあるわけで。私たちがこの複雑な現代社会全て、政治経済社会科学文化医療軍事歴史等々、について完全に網羅できるわけがないんですよ。それは震災においての様々な現実、震災でも大問題となったロジスティクスから危機管理や復興支援そして原発放射能についてだって同様でしょう。おそらく過去存在したどんな天才だって最早不可能かもしれない。
故に各種専門家というのは、もちろんここにもアタリハズレありますけど、この情報の溢れる現代社会において更に重要な役割を担っているのです。


その意味で言えば、こうした自称「恐怖症」に陥った人たちの最大の罪は、放射能恐怖症に陥ったことでも、あるいはクズ丸出しな差別的暴言を吐いたことでもなくて(直接の被害者はともかく)むしろ社会全体への悪影響としては「御用学者」としてレッテルを貼り攻撃することで、客観的・中立的な意見を表明しようとした専門家たちを黙らせようとした点にあるのだと思っています。専門家の知見こそが、現代社会のように情報が錯綜する状況下で活用されなければいけなかったのにね。
ところが彼らは自身の価値観・イデオロギー・正義を守るために、批判的なことを言う人びとを封殺しようとした。いやまぁ人間の歴史を見れば、常にそうした人々は自らの都合の悪い言説を消す「まず」言論の自由を封殺しようとしてきたので毎度お馴染みの光景と言ってしまえばその通りなんですけど。実際それは効果的でもある。そして効果的である故に、その言論封殺によって、放射能恐怖症を見事に悪性化させた。
その一方で、そんな陰謀を看破した彼らによれば情報隠匿と悪魔の権化ような「政府」は、恐怖症な彼らの発言を少なくとも直接的に妨げようとはしなかったことを考えると、皮肉が効きすぎてて笑うしかないお話ではありますよね。
- 原発業界御用学者リスト @ ウィキ - アットウィキ
ということでその筆頭でもあるあのバカげた御用wikiとか作った人たちは、まさにパブリックエネミーとして扱うべきレベルじゃないかな。ただの流言飛語よりも更なる大罪として。


みなさんはいかがお考えでしょうか?