「安全か格安か」というよりは「自由か規制か」なお話

まぁそれで過去の私たちは概ね「規制緩和で自由な選択肢バンザイ」と叫んできたわけですけど。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160117-00000045-san-soci
うーん、まぁ、そうね。

 バス会社に対しては「怒りで後ろ向きになるより、前向きでいたい。ただ、学生が親への配慮から格安のツアーを選ぶのは自然なこと。その自覚を持って格安でも満足できる旅行を提供してほしい。娘たちの死を無駄にしてほしくない」と気丈な口ぶりで語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160117-00000045-san-soci

ほぼ正論で同意するところではありますが、ただそれを「バス会社」に言うのはちょっと酷かなぁと。企画したのそこじゃないし、そもそも孫請けみたいだし。悲劇にあった被害者の母、という点は同情すべきではあるのでしょうけど。


ともあれ、実際のところ、私たち消費者側がどれだけ気を付けたところでやっぱり個々の旅行会社の安全性について詳細に知り、把握することは不可能なわけですよ。もちろん現代社会では、かつてあった口コミ以上にネットやらで情報は集めやすいものの、しかしそれさえ(まさに今回の件のように)完全に把握できるかというとやっぱりそんなの無理でしょう。
――となると行政の出番となる。規制バンザイ。
まぁこちらはこちらで政府は今回の安全性のような測定の難しい問題について、一体どこまでデータから正しい基準を導けるか、という疑問符もあったりするんですけど。まさにそうしたお役所の悪く言えば無能さ(良く言えば能力の限界)故に「規制はゴミ」であると叫ばれていた一面もあるわけで。


その意味で言えば、少し前にも何度かあったバス事故と同様今回の発言も『安全』と『便益』というトレードオフについて、見事に解りやすく示した一例ではあるのでしょう。

  • 格安で旅行したい。
    • しかしその格安の裏面である安全軽視を規制によって排除すれば、「学生が親への配慮から格安のツアーを選ぶ」という選択肢すら無くなってしまう。

多少危険でもスキーツアーに行くことが出来る選択肢か、それともそもそも「多少危険な」ということ自体を否定することでそのような選択肢を採れないよう規制するべきか。これは画一の解答があるべきではなく、個々の文化や価値観によってそれぞれ異なるのだろうなぁと。


私たちは『行政』にどちらを望み期待でするのか、というお話なのでしょう。いやまぁ身も蓋もなく「全て貧乏が悪いんや!」とも言えるんですけど。
みなさんはいかがお考えでしょうか?