民主主義が必ずしも経済繁栄と結びつかない現在進行形な実例

「平等か成長か?」という究極の選択を突き付けられる現代先進国たち


EU離脱支持、イギリスの世論調査で過半数に 国民投票「ブレグジット」の行方は? | ハフポスト
イギリス世論調査でEU離脱派拡大、残留派と6%差 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
ということでイギリスさんちの投票予想まさかの離脱優勢で動いているそうで。最近また(報道量と併せて)活発になりつつある「難民移民の暴力事件」を見ると理解できなくはないかなぁと。

カーティス教授はさらに、「ブレグジットは予想以上に接戦で、実際に離脱の可能性があることにキャメロン首相は不快感を抱いているだろう」と語った。

労働党員は、党首のコービン氏がEU残留キャンペーンにもっと力を入れるべきだと主張している。また、保守党員の中には、キャメロン首相がEU離脱のデメリットを強調する「プロジェクトフィアー(恐怖作戦)」を展開し、離脱派のジョンソン前ロンドン市長と1対1で議論しなかったことを批判している人もいる。

EU離脱支持、イギリスの世論調査で過半数に 国民投票「ブレグジット」の行方は? | ハフポスト

プロジェクトフィアーとかなにそれかっこいい。
ただまぁこれってどちらも同じ穴ですよね。一方は残留による恐怖を叫び、もう一方も同様に離脱の恐怖を叫ぶ。後者は経済的なモノであるけども、後者はもっと人びとの感情に結びついたモノ、という違いはありますけど。


ということで個人的な意見で言えば、離脱派・残留派ともに言っていることには一理あると思うんですよ。おそらく離脱すればかなりの経済的損失をイギリスが被ることになるのは間違いないし、逆に残留すれば移民難民の流入をイギリス「独自で」コントロールすることは難しくなる(それが犯罪率等に結びつくかはまた別のお話としても)。
――民主的政府というのは、成長を犠牲にしてでも平等を生もうとする、ということがしばしばある。
これって「経済的繁栄がやがて民主主義に行きつく」に対する「民主主義が経済的繁栄に行きつく」ことへの反証として言われるお話でもあります。生まれたての民主的政府なんかの悲劇的帰結を、先進国な人たちがよく笑っていたりしますけども、それってやっぱり私たちだって例外ではないのです。


私たちは平等や安心感を求めて金のガチョウを殺す。
実際、一体どちらが正しいのか、と言われると困ってしまいますよね。


さて、ここで面白いのは規模は限りなく卑小ながら、ちょっとだけ似たような問題が私たち日本にも現在見られる点ですよね。舛添さんという件。
(五輪タイミング等といった他に)およそ50億円という選挙コストを掛けてまで、次の都知事を選ぶのか? というのはまぁ半々ではないにしろそこそこ意見の分かれるお話でもあるわけで。ここまでに明らかになった部分だけで言えば、少なくとも彼の振る舞いって所詮ケチな子悪党的節約でしかないし、次の都知事が舛添さん以上にアレな可能性だって低くないと思うのでやったところでほとんど「実益」はないと思うんです。
しかしそうは正義の問屋が降ろさない。
幾ら経済的合理性を説いてみても、不完全な合理的人間でしかない私たちは、それでは感情として納得できないから。





Brexitも、トランプさんも、そして遠く離れて舛添さんも、こうした点から見ると似た構図なのかなぁと少し思ったりします。民主主義の限界って言うと身も蓋もありませんけど。


みなさんはいかがお考えでしょうか?