朝日さんちの(成人版)読解力調査

所詮「バカを相手にしているから」と思っているのか、それとも「読者は当然これ位見抜いてくれる」と試しているのか。



教科書の文章、理解できる? 中高生の読解力がピンチ:朝日新聞デジタル
日本の若者の読解力について面白い研究結果が出ていたそうで。

その結果、例えば「メジャーリーグ選手の出身国の内訳」に関する中学校の社会科教科書の文章を読み、内容に合うグラフを正しく選べた中学生は12%で、高校生も28%にとどまった。文章には「選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の出身」とあったが、四つのグラフの中から「72%がアメリカ合衆国出身」という事実を示すものを選択できない生徒が多かった。

教科書の文章、理解できる? 中高生の読解力がピンチ:朝日新聞デジタル

これって学校のテストによくありがちな、別に深く考えなくても「問題文」にほぼほぼ答えが書いてあるパターンなのにこの正答率ということは、多分もう問題文を読むことすらすっとばしているか、もうめんどくさくなって最初から諦めてそう。
いやぁ日本の若者にはこまってしまうね!!
――と、朝日新聞の中の人が日本の未来を憂えたのかはわかりませんけども、狙っているのか無意識なのか、まったく同じタイミングで出た記事でトランプさんの発言に関しての「記事の読解力調査」のようなことをやっていたのが興味深いお話。
安倍首相との初会談、断りたかったが…トランプ氏が裏話:朝日新聞デジタル
この文章を読んでトランプさんの気持ちを答えよ(10点) 

 トランプ氏はあいさつで、昨年11月に安倍首相から電話を受けて早く会いたいと話があった際、就任後の1月20日以降という意味で「いつでもいい」と回答したと明かした。2〜4月ごろだと思ったという。

 その後に安倍首相がすぐに会う考えだと知ったといい、「側近の人たちにも言われた。『これは適切なタイミングではない』などいろいろ言われた」と話した。このため安倍首相に電話をしたが留守電だったという。トランプ氏は「なぜかというと飛行機に乗っていた。すでにニューヨークに向かっているということで、もう着陸してから断ることはできないので実際会うことにさせていただいた」と述べた。

 そのうえで「本当にいい思い出になった。これからさらにいい友情になると確信している」とあいさつした。(永田大)

安倍首相との初会談、断りたかったが…トランプ氏が裏話:朝日新聞デジタル

素直に読めば、そもそも時間と場所も決めずにとりあえず出発とかありえないし、まさか米国大統領から日本国首相への電話が留守電で繋がらないって(笑)
――と、きちんと読解力があればどう見ても話を盛っていて、レセプション挨拶では大抵必須であろう小粋な(ウケるかどうかは別として)ジョークではあります。一方で、タイトルで脊髄反射して、これをマジ苦言と読む人はまさか……、と思ったらtwitter等の反応を見るとやっぱり結構居てしまって、それこそ若者に限らず色々と読解力に不安になってしまうお話。
ぶっちゃけると読解力というか政治的ポジションによる『認知の歪み』が一番多そうではありますけど。それならまだ、マシ、なのかも?
まぁでも、そもそも、この内容でそのタイトル付けるのも悪いよね。*1
これをフェイクニュースと呼ぶか微妙なラインなものの、ぶっちゃけ正直タイトル詐欺というか「釣り」でしょう。それこそ、しばしば批判されるネットのまとめサイトのようなタイトルの「悲報wwwwwwwwトランプは安倍との対談を断るつもりだったwwwwwwwwwwww」とかと同レベルの。
読む側に読解力がないのが悪いのか、それとも書いている方が悪いのか――この場合単に書く側の文章力というだけでなく、そもそも「わざと」誤読しているように仕向けているのか、という問題も惹起するわけですけども。


はたしてこの記事を書いた人、そして編集した人たちは一体何を考えてこのタイトルと記事を書いたのか?
読解力のないバカが釣れると思ったのか、それとも確信犯なのか。普段の態度を考えると、うん、まぁ、そうね。




ともあれ、最初のネタに戻って、タイトルに流されない読解力は大事だよね、と朝日新聞さんは良いことを書いているわけですよ。

 教科書や新聞記事のレベルの文章を、きちんと理解できない中高生が多くいることが、国立情報学研究所新井紀子教授らの研究グループの調査で分かった。新井教授は「基礎的な読解力がないまま大人になれば、運転免許や仕事のための資格を取ることも難しくなる」と指摘している。

教科書の文章、理解できる? 中高生の読解力がピンチ:朝日新聞デジタル

うーん、耳が痛いね。


当日記は日本人の読解力向上を応援しています。