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核保有国への持参金

世界唯一のヒバクコクである私たち日本人が核放棄への代償として支払うべき、あるいは払ってもいいと考えるのは、一体おいくら万円?





被爆73年 広島原爆の日 核兵器禁止条約が核廃絶の「一里塚」 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
ということで広島で原爆忌があったそうで。

松井一実広島市長が平和宣言を読み上げた。

被爆者の訴えは核兵器の恐ろしさを熟知し、それを手にしたいという誘惑を断ち切るための警鐘です。年々、被爆者の数が減少する中、その声に耳を傾けることが一層重要になっています」

 その上で、松井市長は、核保有国やその同盟国などが主張する「核抑止や核の傘という考え方」は相手国に恐怖を与え、長期の世界の安全を保障するには「極めて不安定で危険極まりない」と訴えることで、核廃絶の重要性を強調。その「一里塚」となるべき核兵器禁止条約が採択・署名されてから1年以上が経過した今も、発効に必要な50カ国・地域の批准手続きが遅々として進まない現状を踏まえ、世界に取り組みの強化を促した。

被爆73年 広島原爆の日 核兵器禁止条約が核廃絶の「一里塚」 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

うーん、まぁ、そうね。とっても非の打ちどころのない正論だとは思います。現実の国際関係がどういう方向にに進んでいるのかという点を気にしないのであれば。




面白いというか、悲しむべきかというか、タイミング良くその前々日に北朝鮮外相がこの「核放棄」の取り組みについて、とっても為になる言葉をおっしゃっていたんですよね。
北朝鮮外相 「一方的な非核化には応じられない」 | NHKニュース
うん、まぁ、私たち日本人のほとんどが「知ってた」と答える案件ではあります。

そして、「アメリカが行動を示さないかぎり、私たちだけが先に動くことは絶対にない。段階的かつ同時に行動し、信頼を着実に築くことが最も早く確実な道だ」として、北朝鮮が求める朝鮮戦争終戦宣言や経済制裁の緩和に向けた進展がなければ、一方的な非核化には応じられないという姿勢を強調しました。

北朝鮮外相 「一方的な非核化には応じられない」 | NHKニュース

個人的にはこの北朝鮮の言っていることは、日本のポジショントークとしては無論受け入れられないものの、まぁ言っている事自体は上記広島市長と同様こちらも正論ではあると思うんですよね。彼らだけが特別に愚かであり頑迷だというわけでは絶対にない。
なにしろ彼ら核保有国は少なくないコストを支払ってそれを開発し保有へと至ったわけで。物理的経済的脅迫があるならばともかく、それをただ捨てろと言って話を聞くはずがない。そこで聞くようなら――その点で少なくとも韓国はアメリカに怒られて核開発計画を最初期の段階できちんと放棄している――そもそも初めからこうなってはいないのだし。
それこそ「北朝鮮は自発的に無条件で核放棄するべきだ」なんて言うのは、私たちが普段ネットで書いているような「5000兆円ほしい!!!1*1」ととほとんど同レベルでしょう。



ということで個人的に、もし、ほんとうに、私たちが『核なき世界』を求めるのであれば核兵器禁止条約よりも、この実際の北朝鮮の態度と、そしてそれに対応する私たち返答こそ「一里塚」にすべきだと思うんですよね。
なにしろここには少なくとも新たに核兵器を手にした国が(ウソかホントかはともかくとして)核を捨ててもいいと言っているのだから。少なくともここに取引できる可能性が現実に存在している。まさにこここそ『核なき世界』への第一歩とするべきではないでしょうか。


どちらにしても現下の北朝鮮情でも問題が議論されているように、私たちはそんな核放棄への持参金として一体いくら支払うつもりなのか、という点でもあるわけですけど。持参金が高すぎてもイチかバチかの新たな核保有へのインセンティブを生んでしまうし、逆に安すぎれば彼らはそれに同意しないでしょう。
大多数の核保有国はもちろんプライドや建前もあって口にはしないけれども、しかしかなり切迫している北朝鮮が身も蓋もなく言っているように、持参金の多寡がその成否を決める。
おそらくここで用いられた基準は、その後に続くだろう『核なき世界』へのスタンダード、もしくは参考すべき前例となる可能性が高い。
北朝鮮はその最初に前払いすべき手付金として「経済制裁の放棄」「朝鮮戦争終結宣言」を挙げている。金額的には安いものの、その後この取引が世界に与える政治的余波を考えると、高いやら安いやら、素人にはちょっとよく解らないよね。


核兵器国と非核兵器国が手を取り合う日はやってくるのか。そしてその日に向けて私たち非核兵器国が支払わなくてはならないだろう、核保有国への持参金について。
みなさんはいかがお考えでしょうか?

*1:僕もマジでほしい。