通常日記

手抜き日記。
 

  • ペロシ米下院議長が台湾を訪問、議会で演説 中国は「極めて危険」と非難 - BBCニュース
    • ということでマジで台湾にやってきたそうで。正直に「極めて危険」と言うことが出来ない本邦リベラルや、なんなら対中関係にまだ配慮する欧州リベラルとは一線を画しているよね、
    • ほぼ効果としては中国を怒らせるだけで、アメリカの政権からも軍からもかなり一貫して「やめてくれ」と言われていた*1のに強行したペロシさん、という構図は実のところ大抵の場合で摩擦しか生まない上記発言の様な『ザ・リベラル外交』の本質を逆説的に証明していてwktkしてしまうんですよね。カナダのトルドーさんを見ている感じに近い。

 

 

 

 

 

 

  • Eight Lessons from the Ukraine War by Joseph S. Nye, Jr. - Project Syndicate
  • 「Second, economic interdependence does not prevent war. 」
    • ……そ、そんなぁ~~(100年ぶり2度目の発見)というナイ先生のありがたいお話。まぁ「経済関係は戦争を抑止しない」というこの定番ネタが今になって擦られるのは、どう見ても本番である対中国を想定したものでもあるわけだしね。

 

 

  • NHK党ガーシー氏渡航届は不許可 参院議運委、全会一致で - 産経ニュース
    • 僕は根っからの民主主義政治の信奉者であるので、まぁ他の議員たちと同様に(一部の)有権者と正しく同じレベルの政治家を選んだという感じかなあ。社会の常がそうであるように、いつだってルールが決められるラインというのはアレな人たちを基準に定められるので、今回もそうすればいいんじゃないかな。アメリカやヨーロッパで見られるような極右政党が大きくなるよりはまだマシだと思うし。

 

 

 
 

誰かにとっての「悪夢の戦争」

ロシア史専門の大先生がアメリカにとっての「夢の戦争」と言ったということはつまり……。



ロシアによるウクライナ侵攻 どうやって終わらせるか? | NHK国際ニュースナビ
前回通常日記でも少し書いたお話。

実は、その直前の3月27日、ポーランドの首都ワルシャワで、アメリカのバイデン大統領が演説を行っています。プーチンと戦うことは、復活した専制国家に対する民主主義国家の戦いだという内容でした。

こうしてこの戦争は「アメリカの新しい戦争」になってしまったのです。

戦争の目的はロシアを弱めることですが、アメリカ兵は参戦せず、戦うのはウクライナ人だけです。アメリカは兵器を供与し、制裁や情報宣伝戦を進めています。

この戦争はアメリカの親を悲しませることがないので、いつまでも続けることができるいわば夢の戦争なのです。こうなると簡単には止まりません。

ロシアによるウクライナ侵攻 どうやって終わらせるか? | NHK国際ニュースナビ

いやまぁ『夢の戦争』というトンチキ具合もそうなんですけども、そもそも「こうしてこの戦争は「アメリカの新しい戦争」になってしまったのです」という因果関係もちょっとよく解らないよね。バイデンさんがそう言うだけで戦争になっちゃうんだ。
ウクライナの方を見ながら)最近は戦争のハードルすっかり低くなっちゃったよねえ。


更にはアメリカではなくロシア史が専門の人が「戦争の目的はロシアを弱めること」と言いながら「夢の戦争なのです」と言っている辺り、語るに落ちている感があって、文学というか思考の組み立てが透けて見える大変面白い文章だと思います。
――この構図についてもっと言うとアメリカにとっての『夢の戦争』というのは、つまり別の誰かにとっての『悪夢の戦争』ということであり、このロシア史を専門にしている人がどういう想定をしているのかと考えると……。
ここで「ウクライナにとっての悪夢の戦争」ではなく、「アメリカにとっての夢の戦争」と言ってしまうのはやっぱり面白いですよね。『和平』の話をしていながらも、しかしそこではアメリカとロシアの都合だけが語られウクライナの主体性について語られない。



ともあれ、でもまぁ前回の通常日記でも書きましたけど――ブチャなどでの虐殺について見ないフリをするという最大限の譲歩(?)をしたとしても――国際機関や条約そして国連を前提としたリベラルな国際主義を信奉する現代人の我々にとっては、受け入れがたいお話ではあるものの、しかし一面の真理が含まれているのも事実なんですよね。

国際法というものは、侵略の戦争を許しません。しかし、国際的な法律が常に守られていて、違反すれば罰が与えられるという枠組みができているかといえばそうではありません。あくまでも努力目標です。

国連の正義というものは非常に柔軟にできていて、意見が対立しても組織が壊れないよう、絶対的な正義がないような仕組みにしています。

法律的な解釈で今回の問題に対処しようとするのは幻想です。

ロシアによるウクライナ侵攻 どうやって終わらせるか? | NHK国際ニュースナビ

自国の世界平和を愛する本邦でそれを言うと漏れなくネトウヨ扱いされかねないので、あまり大きな声では言えませんけど。平和憲法の教えはどうなってんだ。




ここで面白いというかひたすら皮肉というかやっぱり語るに落ちているのは、そんな国連や国際法という、二度の大戦を経た人類たちが積み上げてきた『努力』を否定しつつも、

人々の間の意見の食い違いを調整して、最大限の正義や幸福を目指して努力していく。失敗したらやり直すということを積み重ねていかなければなりません。

ロシアによるウクライナ侵攻 どうやって終わらせるか? | NHK国際ニュースナビ

いやまさにそれこそが現代世界でなんとか生き残っているの国際法と国連の意義じゃないんかと。


しかし、和平派の彼にとってはそうではない。
国連と国際法は無力であり、各国が(別の形の)努力を積み重ねていかねばならないと述べている。それこそ最大限の正義や幸福を目指し努力していくなら、既存の国際法や国連を使えばいいのにね。
しかし、和平派の彼にとってはそうではない。
いやぁやっぱり語るに落ちている感があって面白いよね。


ロシア史専門の大先生が言い出した「アメリカにとっての夢の戦争」について。
――僕はアメリカ政治や軍事が専門な研究者たちが言うような「ウクライナ支援はアメリカの負担になっている」という方を信じるかなあ。それこそアメリカが対中国シフトをしていることが、今回の間接的な要因というだけでなく対米圧力を掛けられているのは間違いないだろうし。
まぁ日本でも「アメリカの代理戦争だ!」って言っている人たちいっぱいいるしね。ロシア史を専門にすればアメリカの真実が見えてくるのかもしれないね。


みなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

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  • 「安倍の次はお前」群馬知事を脅迫疑い ツイッター投稿の男を逮捕 - 産経ニュース
  • 「投稿したことは間違いないが、知事に何かしてやろうという意図はなかった」
    • というのはまぁその通りで他の『あべしね』論者と同じなんでしょうけども、しかし小中学生ならともかく、いい大人が強い怒りを表現しようとして「死ね」や「殺す」を言い出すのは、端的に言って社会における教育の失敗というかその限界を感じるよね。

 

 

 
 

いいないいな人間っていいな

――でもそもそも『人間』ってなに?



Googleのエンジニアが「ついにAIが実現した」「AIに意識が芽生えた」と訴える - GIGAZINE
「GoogleのAIが感情や知性を獲得した」というエンジニアの指摘は間違っていると専門家から批判が殺到 - GIGAZINE
「AIに意識が芽生えた」と主張したGoogleのエンジニアが解雇される - GIGAZINE
最初にニュースを見た時には一瞬シンギュラリティktkrとwktkしましたけども、まぁ落ち着いて見たらスン……ってなっちゃうやつ。
ただまぁこうしてオチとして解雇されると、余計に才能を理解されない不遇な天才感出ていいよね。この後「私は好きにした」しちゃいそう。

科学者で作家のゲイリー・マーカス氏は「LaMDAも自然言語処理システムのGPT-3も知性ではありません。彼らはただ人間の言語の大規模な統計データベースから一致するパターンを抽出しているだけです。パターンはかっこいいかもしれませんが、LaMDAやGPT-3が発する言語には何の意味もありません」と述べ、ルモワン氏の主張を否定しています。

マーカス氏は「知覚力があるということは、世界で自分自身を意識することです。LaMDAは全くそうではありません。それは幻想です」と述べ、LaMDAがいかに哲学めいた文章を出力しても、それは単語同士のつながりを意識して生み出されたものであり、実際に世界を認識した結果ではないと指摘しています。加えてマーカス氏は、ルモワン氏はまるで家族や同僚のようにLaMDAに入れこんでいたようだと評しました。

マジレスとしては所謂「汎用人工知能と特化型人工知能な機械型学習の違い」な基本的なお話ではありますよね*1
後者でそれが実現する可能性ももしかしたらあるかもしれませんけど、やっぱりスタート地点から違うのはその通りなのでしょう。


ともあれ、しかし個人的にこの話題で面白いと思っているのは、「AIが人間の知性あるいは意識と同等になる」という目的それ自体が、そもそも「人間とは何か?」という最初の問題に回帰してしまうところじゃないかと。
最前線の問題が、最も根本的で原始的な問題とこれ以上ないほどリンクしている。
人間と同等あるいはそれ以上になったことを確認するためには、そもそも人間と見做されるだけの能力の定義について設定するのを避けられないわけで。この問題が単純にAI開発者たちの認識によるというよりは、むしろ哲学者などの領域であると言われるのはそういう理由でもあります。
人間として認められる意識や感情や知能のラインは一体どこなのか。
一方でこの議論があまり公にされないセンシティブな話題でもあるのは、割と私たち自身の経験上からもそういうラインの境界線上に色々な意味で心当たりがあってしまうからでしょう。最近でも尚燃え続けているアメリカの中絶問題、あるいは本邦でも尚続く死刑などもこの『人間の定義』とほとんどそのまま地続きでもあるわけで。。
そのラインを決めた場合の副作用がおそろしすぎる故に議論すらも及び腰になってしまう。
ではそういう能力を生まれつき持っていない人たち――例えば共感性に欠けるとされるサイコパスなど――は人間とは言えない人間未満なのか? なんて。


しばしば最も強い非難の言葉――逆説的に本邦ネット上でもカジュアルに溢れている――「人間じゃない」という言葉にすら、そこにはそもそも「人間らしさ」とは何かという定義の同意が含まれているわけで。
嫌いな対象をそのラインを下回っている(と思っている)相手として普通に「人間じゃない」扱いしている人たちが居てすごいよねえと素朴に思ってしまいますけども。
現代でも尚明確な答えが出されていないこの問題について、きっと彼ら彼女らには自明なことなのでしょうね。あるいは何も考えてないだけなのかもしれませんけど。


かつては私たちの社会でも異邦人や異教徒や野蛮人や黒人や女性や子供たちが「人間扱い」されてこなかったことを考えると、色々と考えが膨らんでしまいます。
『まだ人間じゃない』のだと。
今後も続いていくだろうAI開発が避けては通れない「人間とは何か」について。
考える葦である市井の哲学者なみなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

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  • 安倍元首相「国葬」、国民に服喪強制せず・休日措置なし…9月27日実施を閣議決定 : 読売新聞オンライン
  • 安倍元首相の国葬、閣議決定に抗議 市民団体が首相官邸前で:東京新聞 TOKYO Web
    • ということで国葬で揉めているそうで。個人的には9月27日も、平日であるなら尚更いつも通りテレビは一切見ずyoutubeやネトフリやアマプラ見ながら仕事してゲームして読書するというミクロな個人生活で忙しいだろうと思われるのでまったく服喪する予定もないしどっちでもいいかなあ。別にやれと言われてもやるつもりありませんけど。
    • その意味で、心配している人たちはそんな政府の言う事ホイホイ聞いちゃう素直な子なんだなあとは思います。あるいは自分はそうじゃないけど大衆はきっと政府の言いなりなんだっていうユニークな世界観の持ち主なのかもしれない。僕はこうした反対派の存在そのものが証明しているように、いくら日本人だろうとそこまで物分かり良くないと思うょ。やりたい人は国葬だろうがそうじゃないだろうがするだろうし、やらない人はどっちにしてもやらない。故に国葬である必要はないという意見はかなり一理あると思いますけど。

 

 

 

  • 国連科学委員会のメンバーが県立医科大学で講演 |NHK 福島県のニュース
  • 「国連の科学委員会の報告書には、疑問の声もあがっています。」
    • まぁまったくその通りなんだけど、仮にもそれを大手メディアが――よりによってNHKがそれを言ったらその辺の有象無象のネット記事と何が違うんだっていうね。ということでこうした恣意的な両論併記という似非中立ポジションの志向こそが、長期的なメディアの自殺だと個人的には思っています。
    • この辺は何度も日記ネタにしてきた『正義』を語れなくなった現代社会というテーマでメディアにとどまらない割と深淵な問題な気がしますけども。そうそうLGBTや気候変動やウクライナ支援や南京虐殺やアベ暗殺批判にも、「疑問の声」がもあがってるんだもんにぇ! ……まとめブログでも見ていた方がマシなんじゃないかな。

 

 
 

境界線上のイマジン

『それぞれのイマジンがぶつかったらどうなるの?』っと、


スラヴォイ・ジジェク「ウクライナが侵攻されているいま、偽りの平和主義を掲げるなど愚の骨頂だ」 | 真の左派が決して容認するべきでないこと | クーリエ・ジャポン
ということでジジェク先生の、後半なんかはアメリカ帝国批判な割と典型的ないつもの議論っぽくはありますけども、しかし前半部分のイマジンネタは個人的にこれまでウクライナ侵攻を追ってきて言語化できなかった部分のヒントになって為になるお話。

私からすれば、ジョン・レノンの大ヒットソング「イマジン」は間違った理由から人気になった曲だ。「一つになった世界」をイマジン(想像)するのは、地獄のような結末を迎えるうえで一番の方法なのだから。ロシアによるウクライナ侵攻を眼前にしながら平和主義に拘泥する人々は、彼らなりの「イマジン」に囚われたままである。

──想像してごらん、対立状態が武力でないものに解消される世界を……

ヨーロッパはそんな「想像の世界」に固執するあまり、国境の外で繰り広げられている残虐な現実から目を背けてきた。だが今こそ、それを直視すべき時だろう。ウクライナの早期勝利という夢、あるいはロシアの早期勝利という夢を繰り返し語るときは、もう終わった。

スラヴォイ・ジジェク「ウクライナが侵攻されているいま、偽りの平和主義を掲げるなど愚の骨頂だ」 | 真の左派が決して容認するべきでないこと | クーリエ・ジャポン

「対立状態が武力でないものに解消される世界」
両大戦を経たヨーロッパがそうした世界をイマジンし、そして少なくともその域内中心部においては概ねそれが実現できていたのは間違いないでしょう。
まさに英独仏を中心にした対立状況が周辺国を巻き込んで戦争に明け暮れていた――故に『世界』大戦である――ヨーロッパから、欧州連合へと統合することでそんなイマジンの世界を完成させつつある。


しかし当たり前の話ではありますけども、その外側にも当然世界は広がっているわけで。そこでは私たち日本なんかも(二重の意味で)同類で、それぞれが、それぞれの形による平和をイマジンしてきたわけでしょう。
それは、ロシアや、あるいは中国であってさえも。
ここでジジェク先生のいう「「一つになった世界」をイマジン(想像)するのは、地獄のような結末を迎えるうえで一番の方法なのだから」と指摘する点に、リアリズムの視点からするとかなり同意せざるを得ないのは、ヨーロッパやアメリカや日本と同様に、ロシアや中国だって彼らなりの「対立状態が武力でないものに解消される世界」を目指している点でしょう。
武力ではなく大国の威信によって周辺国は無条件に屈服すべきである、なんて。
うんうん、それもひとつの平和状態だよね。こっかしゅけん? 二等国にそんなもん必要ないんだよなあ。
つまり、そこでは平和状態を等しくイマジンしながらも、その平和状態の解釈の違いから、まるで『猿の手』な物語を見ているかのように話が噛み合わなくなっていく。


元々同じ国で属国であるウクライナが我々の要求を受け入れないのが悪い、という武力が用いられない形での「ロシア勢力圏の平和」というイマジンな平和状況を、イマジンを謳う欧米側の方から壊した、というロシア擁護の意見には全面的に同意はできないもののそれなりに一理あるわけで。
対立状態が武力でないものに解消され殺しも死にもしない平和の世界にあったのだから、その為にもウクライナは未来永劫ロシアの属国であるべきだった。
本邦にも少なくない「ウクライナがさっさと降伏すればいい」論者というのはこういう文脈にあるわけでしょう。
ロシアはウクライナとは――良い言葉で言えばイマジンな関係を築いていたのに、しかしウクライナがロシアの言うことを無条件で聞かなくなったために『再び』対立状況を武力で解決するようになってしまった。
イマジンな世界の終わり。


ヨーロッパの側で完成されつつあったイマジンに近づいたために、元々いたイマジンな関係のロシアにこれ以上ないほど明確な形の武力で引き止められようとしている境界線上のウクライナ
いやぁイマジンっておっそろしいよね。地獄のような結末を迎えるうえで一番の方法というのも納得です。

いっそもうそれぞれがどのイマジン=平和状態が最も優れているのか決着を着けたらいいんじゃないかな。
……でもどうやって?
もしかして:戦争


はたしてイマジンを夢見る私たち人類は、そのイマジンな世界の中身について合意できる日がやってくるのだろうか。
みなさんはいかがお考えでしょうか?