『ようこそ女たちの王国へ』(ウェン・スペンサー著)読んだ

正しい意味でラノベだった。


極端に男子が生まれる確率が低いので、社会のほぼ全てが女性で構成されるハーレムハーレムな世界。
事実上男性は「種馬」としての資産価値が全てであって、売買・交換・略奪の対象となる。
で、その希少な男子の主人公がヒロインらしくあれやこれする話。



読みやすいし面白かった。
それなりに話が作れる設定だと思うし、(ハーレム祭りな日本的ラノベに合ってるし)続編作ればいいのに。
あとがきで作者は「思考実験に近い」みたいな事言ってるけど。


と思ったけど、こうした偏った人口構成は大抵の場合、その解消を外部へと求めるもので。
その結果行き着くのは、私達の世界以上に苛烈な「奴隷貿易」となる。うわぁ救えない。
恐らく描写されてはいないものの、主人公家がそうであったように、外国との戦争もそうした方向となるだろう。
まぁそんな閉塞感一杯な世界を書いても、確かにしんどいだけって感じはするので作者の判断は正しいのかもしれない。
そもそもそういう物を書く作者でもないし。


さて置き、この作品は「なぜ、男子の出生率が極端に低いのか、説明がまったくない」と批判があるらしいけど、
日本のラノベハーレム物は大抵「なぜ、主人公がそんなにモテるのか、説明がまったくない」ので、
どちらがマシかと言われるとコメントに困る。