本当の敵は身内に居たんだオチ

中国のおはなし。


そういえば毒ギョーザ事件が今更ながらに進展したそうで。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100328/crm1003281911010-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100328-OYT1T00898.htm
なんというかまぁ中身ないですね。けど別に彼らはそれでいいと思っている。だって中から外に出て行く情報は別にどうでもいいから。外の人達が何を言おうと本質的には別に気にしてはいないから。
彼らはその意味で確かにリアリズムを体現している。(1)国家が唯一の重要な主体であり、(2)軍事力が優越的な手段であり、(3)安全保障が主要な目標であると*1。だから別に「文句を言われるだけ」なら何も気にはしない。
彼らが現状において真に気にしているのは、自分の中の人達の事で。重要な主体である国家(政府)の存続において危険なもの。だからある意味で確かに彼らは「国民の事」を真剣に考えている。どうやって大人しくさせておくか。どうやって反抗されないようにするか。


中国vsGoogleの問題で某所で言っていた、「中国が、なぜ一歩も譲らなかったか」についても同じように言える。要は体制維持の為でしかない。彼らにとって重要なのは中から外への情報よりもずっと、外から中に入ってくる情報の方が重要だと。それを如何に遮断するか。それに較べれば中から外に漏れる事なんてどうでもいい。
そう考えると中国は、アメリカや日本やEUなんかよりもずっと、自分の国民を恐れている。まぁこれはこれで、なんか違った意味で民主主義権力者って感じで愉快です。


人民元切り上げの問題もこの辺とリンクするのかなーと思ったりもします。もちろん第一義的には、世界の工場である為の「競争力」維持の為なんだろうけど。付属的な効果として、人民元の実質的な強化による中国国民の購買力強化=国民の力の増大を恐れているのかもしれない。妄想です。

*1:ジョセフ・S・ナイ『国際紛争』より