アメリカのイスラエル離れの末路

というわけで盛り上がってるイスラエルのあれ。すごい悪い事ですよね!って怒るだけじゃあれですし、いつも通り適当な事を書きます。
ガザ支援船をイスラエル軍が強襲、10人以上死亡 トルコ強く抗議 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News
国連安保理各国がイスラエル非難、ガザ支援船攻撃 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News
イスラエル、「今後も支援船のガザ入りは阻止」 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

【5月31日 AFP】(一部更新、写真追加)イスラエルによって封鎖されているパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)へ支援物資や援助活動家らを運んでいた支援船団6隻のうちの少なくとも1隻が31日、イスラエル特殊部隊の強襲を受け、イスラエル軍の発表によると少なくとも10人が死亡した。

ガザ支援船をイスラエル軍が強襲、10人以上死亡 トルコ強く抗議 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News

一部の人は「ユダヤ人に支配されているアメリカがイスラエルを擁護している!」とか言うけれど、どちらかというと今起きている事はその真逆なんですよね。
イランやシリアに対するオバマ大統領のエンゲージメント政策にもあるように、アメリカはオバマ政権以来、イスラエル離れが加速していると言われている。外交政策だけでなく、ロビー活動多寡などにおいても。そうすると何が起こるのか? なお話。

君は僕に似ている、ようで似ていない

そうした中東でのエンゲージメント政策の是非はともかく、こうしたイスラエルの強硬な態度は、アメリカのオバマ大統領や背後に影響力を持つと言われているブレジンスキーさんらによる「アメリカのイスラエル離れ」こそが招いている。その意味で、北朝鮮の手綱を握り切れなくなっている中国、の構図に近い物はある。
つまるところそんな対話路線は、今の所はまぁぶっちゃけ裏目に出まくっているわけで。そこで起きているのは少し前にあったシリアからヒズボラへのミサイル移転や、言うまでも無くイラン核問題である。結果イスラエルは彼ら自身の安全保障や紛争の危機が迫っていると強く感じるようになった。で、今回のような事件に繋がると。
イスラエルは、心の底から、周辺国家を信用していない。
イスラエル嫌いな人達はそんな過激な行動をもって北朝鮮との類似性を指摘するけども、しかし実の所両者は似て非なるもので、むしろ反対だと個人的にはおもうんですよね。北朝鮮は「心の底から」どうせ(直接・物理的な)攻撃をされないと信じているのに対して、イスラエルは「心の底から」周囲から攻撃を受けると本気で信じている。両者はどちらも過激な行動に走っているけども、実際の心理状況はまったく違う。
そんな彼らの一応の守護者であり重石でもあったアメリカの影響力が薄くなれば、当然の話の流れとしてこうなると。


結局の所、一部の人々がこれまで訴えてきた「アメリカはイスラエルを擁護するのは止めるべきだ!」的な主張の先にあったものは、それが全ての要因ではないにしろ、こうした現状に帰結する。彼らはその無邪気な善意からまったく逆の結論を導いている。本当に長期的に見てイスラエルを大人しくさせたいのなら、例えば日本のように、よりアメリカの関与を深めてしまえば良かったのに。
で、実際にイスラエル離れしたアメリカはそれでもやっぱり無邪気な人々に怒られてしまうわけだ。「アメリカはユダヤ人に支配されているのでイスラエルの行動を黙認している」と。全く同じ言葉で。


そうした事が大国の責任というものであって、つまり怒られるのが仕事とも言えるんですけど。まぁ大変ですよね、大国としての義務って。
これらを踏まえて同じように現在進行形の北朝鮮に対する中国とアメリカの制裁を巡る駆け引きを見ると、なんかもう嬉々として中国に責任をおっかぶせようとするアメリカや逃げようとする中国な絵、で面白いですよね。