安全を、大安全を、一心不乱に安全を!

彼らの「絶対安心安全な国家を!」という見果てぬ夢。



ガザ地区の「血の日曜日」、 レバノン侵攻以来最悪の死者数 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
イスラエル軍、国連の学校など砲撃 ガザ地区の死者800人に 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでまぁ毎度のことながら、ロクでもないなぁと思いながらも生暖かく見守る以外にないイスラエルさんちの騒動であります。

【7月21日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で20日イスラエルによる軍事攻撃が激化し、少なくともパレスチナ人97人とイスラエル側の兵士13人が死亡した。1日の死者数としては過去5年間で最悪の水準となった。

イスラエルの地上作戦が始まった17日以降、これまでに死亡した兵士の数は18人に上っている。兵士の死者数としては、2006年のレバノン侵攻以来、最多となった。

 一方、パレスチナ人の犠牲者の多くは、イスラエル軍によるガザ市近郊Shejaiyaへの数時間に及ぶ激しい攻撃を受けたもので、62人が死亡、250人が負傷している。

ガザ地区の「血の日曜日」、 レバノン侵攻以来最悪の死者数 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

そして同じく毎度のことながら、彼らが本気で動くとキルレシオの数字は愉快なことになる。まぁ掛かる費用もアイアンドームなどを見れば解るように、ものすごいコスト比になるわけですけど。ザ・命の値段の格差。
ユダヤの律法であり、イスラエルさんちの生存戦略、あるいはイスラエル版ジハードな「あなた方の敵があなたを殺そうとしている時は、まず敵を殺せと教えている。自衛とは許されているものではなく、銘じられているものなのである」という考えに従って、正しく国際戦時法の根本原理である必要最小限の原則をほとんど無視する人たち。


皮肉なお話だと思うのは、この過剰反撃をするイスラエルの姿というのを「ほぼ」無関係な私たち日本人が笑えるかというと、そうでもない所ですよね。
つまり、良く悪くも、彼らの行動というのは単純に攻撃衝動というよりはより正確には過激な防衛衝動であるわけですよ。トップダウンな意思決定と言うだけでなく、住民から発せられるボトムアップで民主的な要請でもある。まさに自分たちの生存戦略の為にこそ、彼らは過剰な軍事力行使を支持する。端から見ればそれはまぁぶっちゃけ逆効果にしか見えない点はありますけども、しかし恐怖に駆られた彼らはそんな些細なことは気にしない。冷静な意見など、敗北主義者でしかない。
ゼロリスク――あるいは限りなくそれに近いモノを求めては、逆効果になりかねない程の過激な行動に走る人たち。
ガザ攻撃でユダヤ人憎悪拡大、 独ユダヤ人団体が非難 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
国境外から打ち込まれるロケットのような物理的な脅威だけでなく、精神的な包囲網=反ユダヤ主義は最近のヨーロッパを見る限り(他の差別感情と同様に)やっぱり根絶されたとは言い難く、ホロコーストを頂点とした彼らの未だ抱く恐怖感というのはやっぱり強いモノがあるでしょう。当事者たちが抱く恐怖感というのは、やっぱり当事者でない私たちが簡単にどうこう言えるものではありませんよね。
「自衛とは許されているものではなく、神から銘じられているものである」な人たち - maukitiの日記
かくしてその教訓から、コストを度外視した絶対の安全を確保しようとしては失敗する人たち。
――なんだか、少し前の私たち日本でも見られた光景。
あるいは過去に受けた教訓を、時代が変わり周辺環境が変化しても絶対に忘れようとしない人たち。
――まぁこちらも私たち日本はあまり他人事感はありませんけど。
その記憶を持ち続けるのってやっぱり不毛だよなぁとは思いますが、まぁ当事者にとってはやっぱりそうではないんでしょうね。