「人民元切り上げ」というパワーゲーム その1

最近また話題な人民元のお話。


中国、人民元相場を弾力化へ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010061900338
なんというか、またか、という感じです。まぁそれでも大方の見方としてはちょっっっとだけ上がるかもしれないね多分きっとだったらいいな、あたりか。中国にとってはそれはもう切り札になっているのだから、実レート並になるとか大幅切り上げなんて事は絶対にない。彼らのそれは弱みではなくて武器なんだから、当然そんな勿体無いことはしない。
そしてそんな武器として、アメリカの批判やG20などに向けての牽制として、今まさに持ち出していると。

虚仮の一念

それを見習うべきと言うか、あるいは世界の調和を乱していると批判すべきか、どちらにしても彼ら中国は延々と「人民元切り上げ」を先延ばしにする事によってそれを政治的なカードとして扱えるようになった。現在ではそれを検討しただけで好感される始末です。かつて負い目だったものがいつの間にかジョーカーに昇華したと。
彼らは心の底から自分達の国益しか考えていない。
まぁそれを言ったら私たち日本や欧米も属する、「不公平」だからと切り上げを望む、現体制側だって似たようなものですよね。私たちにとってはそうしたルールに従う事こそが、自分たちの利益になると信じているから。しかし中国はそうではないと信じている。
私たちの真似をするよりも、多少怒られても自分勝手にやった方が有利だと解っているから。そしてそれを批判する私たちも、それが「不公平に有利」だと知っているからこそ、中国に向かって是正しろと声を上げる。


結局の所そんな両者による国益を巡る、いつものパワーゲームでしかないんですよね。その意味では現在の東シナ海周辺での軍事的な争いなどの物理的な話と大差はない。
現状打破を望んでいる人たちと現状維持を望む人たち、そんなよくあるお話の一つです。