そうだよそで掘ろう!

しつこく続く原油流出のお話。


/ WSJ日本版 - jp.WSJ.com - Wsj.com
ということで結局また禁止措置に戻ると。まぁなんというかオバマさんも実際迷走しまくりな所もあるけれど、不運続きで少し可哀想ですよね。今回の禁止措置も「この非常時に何もやってない」というイメージを払拭する為という要素が強いんだろうし。深海油田の掘削を認めた2ヶ月前位の状況*1が懐かしいですよね。

 しかしながら、直接被害を受けた湾岸州の行政当局や住民は、海底油田掘削業界で数千人もの雇用が脅かされていると感じている。
 ランドリュ上院議員(民主、ルイジアナ州選出)は12日、政府の新たな凍結方針は、石油およびガス会社が「将来への計画に向かって前進するために必要な確実性」を持てなくする措置だと指摘するとともに、数千ものルイジアナ住民が職業安定所の列に並ぶことになると述べた。

/ WSJ日本版 - jp.WSJ.com - Wsj.com

で、結局の所彼らが気にしているのは雇用の問題であると。確かにそれも大事なことです。でもそうした凍結令が例えばグローバルで根本的な環境問題に何か寄与するのかというと、そんな事は絶対にないわけで。
つまるところ、大手企業たちは「ならば次はよそで掘ろう」と。
あんな事故が起きた後に、アメリカでは凍結されたけど、他の国ではそうではない。以前の日記でも書いたけど、私たち日本人を含めて他の人々にとっては究極的には他人事でしかない(と思っている)から。そうした人々の暗黙の了解によって、多国籍企業たちはまさにその名が示すように、アメリカ以外のどっかの国で掘削を続けると。


まぁその意味で、よくあるグローバリズムな環境問題(先進国による負担を後進国が背負わされている)という構図に戻るのかな、とも思います。

*1:事故直前の今となっては悲しすぎるニューズウィークの記事→http://newsweekjapan.jp/stories/business/2010/05/post-1284.php