パワーよりも理由を重視する人たち

中国さんもかわいい所ありますよね、なお話。


http://mainichi.jp/select/world/archive/news/2010/11/10/20101110dde007030023000c.html
【鬼外交】中国「札束でフランス黙らせたぜ!」仏「こんなはした金では俺は止められない!一応金はもらっておくがな」 : 中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)

【パリ福原直樹】ノルウェーオスロで12月10日に行われる中国の人権活動家、劉暁波(りゅうぎょうは)氏のノーベル平和賞授賞式について、中国が各国に出席拒否を求めた問題で、フランスは9日、授賞式への出席を表明した。仏には先週、中国の胡錦濤国家主席が訪問、約200億ドル(約1兆6000億円)のビジネス契約を結んでおり出欠の判断が注目されていた。

 仏外務省高官は同日、「毎年授賞式には大使が出席しており、この伝統は今年も続く。欧州各国とも連絡したが、各国とも出席の意向だ」と語った。北欧など欧州約10カ国は既に出席の意向を表明している。

http://mainichi.jp/select/world/archive/news/2010/11/10/20101110dde007030023000c.html

相変わらず狡猾というかなんというか、で、引用先でも言われているように日本もそれを学ぶべきだとか昨今の情勢から言われてしまうと。
まぁ日本になくてフランスあるのは個人的には狡猾さというよりも「図太さ」だと思います。彼らは現世利益や(広義の)パワーが全てなのではなくて、大義名分さえあれば、嫌われても良い人には何をしてもいいと思っている。故あれば裏切るのは当然だからと。
そう考えると昨日の日記でも書いたような「正当性」の思考がヨーロッパで生まれたのも理解できる話ですよね。彼らは本当に、正当な理由こそが、重要であると考えていたから。だから今回も正当性のない中国には何をしてもいいと。


さて置き、まぁこうした態度が全てにおいてプラスにおいて働くのかというと、当然そうでもないわけで。ヨーロッパでの二回の世界大戦に至るまでの無数の戦争の歴史によってこうした外交形成されたとは確かに言えるんだけど、だけどある意味では、こうした態度こそがヨーロッパで二度も世界大戦が起きた理由の一つでもあると言えてしまう。よくある鶏と卵の話にはなっちゃいますけど。
で、それを昔のアメリカ辺りに言わせれば「戦争などヨーロッパに任せておけば良い」と。その意味ではよくアメリカ外交の巧みさを日本では言われますけど、アメリカでさえ、かつてそんなドロドロなヨーロッパが嫌で逃げ出した人びとの国なわけで。むしろその意味では純朴な理想主義という意味では日本とアメリカは結構近い物がありますよね。といってもそんな理想主義からキッシンジャーさんたちによる「アメリ外交政策の改革」によってアメリカさんは反動ですごい遠くに行ってしまいましたが。


今でもアメリカにも普通に喧嘩を売ってるEUからすれば実際中国にどう思われようがどうでもいいですよね。しかしほんともうヨーロッパの歴史を見ると「こいつらもう駄目だ」という気持ちになるのは良く解ります。まぁそこが面白いとも言えるんだけど。