ホーキング先生の啓蒙活動

毎度おなじみホーキング先生大暴れ、なお話。


「天国も死後の世界もない」、英物理学者ホーキング氏が断言| 世界のこぼれ話| Reuters
ホーキング先生も相変わらずでいらっしゃいますよね。まぁいつものプロレス風な場外乱闘と言う感じで見ておけばよろしいんじゃないでしょうか。「かかってこいやオラー!」的な。
実際の所、科学的信念も宗教的信念も機能としてはどちらもたいして違いは無いわけで。
しかしそれでも両者が決定的に違うのは、科学的信念は「証明されることによってより強固になっていく」のに対して、宗教的信念は「証明できないからこそ存続していく」んですよね。
こうして見ると、両者は一生解りあえないだろうなぁ感がすごい。お互い同じものを見ていながら全く逆の結論に至りそしてまた同様の心理に回帰する。コップの水が「まだ」半分残っているのか「もう」半分しか残っていないのか論争、に近い感じです。不毛すぎます。

 ホーキング博士は「(人間の)脳について、部品が壊れた際に機能を止めるコンピューターと見なしている」とし、「壊れたコンピューターにとって天国も死後の世界もない。それらは闇を恐れる人のおとぎ話だ」と述べた。
(略)
 また、人々はどのように生きるべきかとの問いに対し「自らの行動の価値を最大化するため努力すべき」と答えた。

「天国も死後の世界もない」、英物理学者ホーキング氏が断言| 世界のこぼれ話| Reuters

さて置き、後段に関してはショーペンハウアーさんの哲学っぽいお言葉ですよね。
だからというわけでもないけど、ホーキングさんのこうした啓蒙活動の行く末について、彼の言葉を思い出すわけでもあります。

すべての真理は三つの段階を経る。
最初は嘲られ、次に猛烈に攻撃され、最後に自明なものと認められる。*1

つまりホーキングさんが何故積極的に宗教界の人々にケンカを吹っかけるのかって、それは逆説的に「攻撃される事こそ」が真理の証明でもあると考えているんじゃないかと。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1625168.html
実際に日本の人びとの反応としては、まぁ当たり前だよね、という自明なものとして極当たり前に受け入れられてもいるわけだから。
そうしたホーキング先生の「天国も死後の世界もない」な思想も、かつては嘲られ、そして現在猛烈に攻撃され、やっぱりいつしか自明なものとして受け入れられることを望んでいるんじゃないかと思うわけです。