しかしそれは健全さの証明でもある

ちなみに第一印象は「盗聴してまでネタを集めようとするなんて何て真面目なヤツらなんだ」でした。


メディア王マードック氏傘下の英大衆紙、廃刊に 盗聴問題受け 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
英大衆紙の盗聴疑惑、キャメロン首相の元主任報道官を逮捕 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
へーという感じですよね。へー。
よくある「行き過ぎた市場原理の悲劇」とでも言うべきなんでしょうか。特ダネを追求するあまりいつしか手段を選ばなくなっていったと。市場原理ヒドイ。「権力は必ず腐敗する」という逃れられない宿命でもありますよね。さすが『第四の権力』たるマスコミさんです。でもそれを同業他社のガーディアンが暴くあたり自浄作用も備わっているということの証明でもあるのでしょう。同時にそれを均衡抑制する為のチェック&バランス機構もまた正しく働いている、と。


だから個人的には、しかしこうした一連の出来事が証明しているのはやっぱり世界でも最も成熟した報道機関を持つイギリスだからこそ、でもあるんじゃないかと思うわけです。
確かに盗聴までした彼らはそのセンセーショナルな事実を求めて違法手段に走ったわけでもあるけれど、しかしその手段はともかく目的はまぁ理解できるものではあるし、そしてきちんと不正な手段は糾弾されているのだから。そんなイギリスの「盗聴」行為と較べて、例えば日本の報道機関の汚点なんて、サンゴ礁に自らラクガキして盛り上げるなんていうデッチ上げの「創作」行為ばっかなのに。
盗聴をしてまでネタを探そうとする人びとと、あるいは創作でネタをでっちあげる人びと。敢えて他社と違うことを言おうとする人びとと、なるべく同じことを言おうとする人びと。確かに両者は共に間違った手法に結果として至ってはいるんだけど、しかしその両者を「同じくらい腐っている」と見ることにもやっぱり抵抗があるわけで。「盗聴は犯罪行為なんだからまだ創作の方がマシだ!」なんてとても言えない。
となると残りは『自浄作用』の部分に掛かってくるわけですけど以下略。


まぁなんというか思いがけず日本にダメージが帰ってくる耳の痛いお話ではありますよね。イギリスにしろ日本にしろ、やっぱりその責任の一端は購読者視聴者である私たちにもあるのだから。