オバマ外交の失敗の歴史がまたひとつ

「星が落ちたよ、ブル」
「あれはただの星ではない。戦士の涙だ。この星のどこかで、戦い果てたもの」





パレスチナ、国連加盟申請の姿勢崩さず 米「拒否権行使」明言 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
/ WSJ日本版 - jp.WSJ.com - Wsj.com
ということで以前書いたパレスチナの国連加盟の争いが決着したようで。
『カイロ演説』の真価が問われる時 - maukitiの日記
まぁ二ヶ月位前に書いたうちの日記での予測のうち、「アメリカの拒否権行使」という鉄板の結果に終わってしまいました。何の波乱も起きなくて少しさみしい。

 米当局者は8日、アッバス議長への圧力を強めていることを認めた。国務省は、パレスチナを国家として認める決議が安保理に出されれば米国は拒否権を発動するとしている。同省のヌーランド報道官は「安保理で何かが採決にかけられれば、米国は拒否権を発動する」と言明した。
 外交筋によると、米側は同議長に対していくつかの譲歩案を示したが、パレスチナの当局者は、内容は不十分だし、遅すぎると指摘した。

/ WSJ日本版 - jp.WSJ.com - Wsj.com

こうしたアメリカによる必死な説得はついに通じず、パレスチナは国連加盟申請に踏み切る事になったと。そして同時に証明しているのが、パレスチナアメリカ主導による『中東和平』への事実上の拒否でもある。


しかしこれって「オバマ外交」の中でも最大の失点となってしまった感がありますよね。
つまり『申請』を事前に食い止められなかった時点でアメリカは負けている。この構図においてその望みをあっさり潰されたパレスチナさんもそれなりに傷はあるんだけれども、しかしアメリカの面子はこれで丸つぶれな訳です。むしろそれが狙いなんでしょうけど。イスラエルを庇っての拒否権行使を避けられないということは、国際社会からはまた「アメリカ死ね」なんて言われたり、ロシアや中国から「いつものアメリカのダブルスタンダード(笑)」なんて揶揄されたりすることになる。
特にオバマさんなんてカイロ演説で得意げに「パレスチナが尊厳と機会、そして自らの国家を求める正当な願いに、米国は背を向けはしない。イスラエルによる入植地拡大は、これまでの合意事項を破り、和平への努力をむしばんでいる。今こそ入植を止めるときだ*1」なんて言っていたわけで。いやぁ今となっては恥ずかしい過去な感じですよね。
こんなことならはじめからデカイこと言わなければ良かったのに。勿論正論的には「何もしないよりはマシだ」とも言えるんだけど、しかしその反動がもたらす幻滅は、何もしなかった時よりもひどい反発を招いてしまうわけです。


グレイトスピリッツを信じられなかったこれまでの歴代アメリカ大統領と同様に、オバマさんの星もまた落ちてしまいました、というお話でした。なんて哀れな魂。