いつか見た『PKK』の風景

PKK』=ネットゲーム(MMORPG)において、PKを専門に殺す人のこと。PKKerとも。

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先日の日記でも無人機による空爆の話を書きましたけど、今度は陸の方の話。


「まるでゲーム」、ジョイスティックが変えた米軍のアフガン前線 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
前回日記の時から少し思っていたんですけど、こうしてより『敵』に近い陸軍バージョンについての記事を見ると、批判的な論調で語られる「ゲーム感覚」もそう悪くはないのかなぁと思うんです。それは勿論兵士の命の尊重であると同時に、やっぱり戦場での生命の危機を感じてのパニックトリガーを減らせるだろうから。
昔からずっと言われているように、そしてしばしば物語のネタとしても挙げられるように、やっぱり人が引き金を引くのは「恐怖に駆られて」ということが多いんです。その攻撃的衝動というより防衛的衝動から、彼らは石を投げる子供や、杖をつく老人や、傘を持つ女性など、無辜の市民に向かって銃を撃つ。無人化によって、そんな戦場におけるストレスから失われがちなモラルは幾らか確保しやすくなるんじゃないのかなぁと。


その意味で、よく一般に語られるようなゲーム的な『トリガーハッピー』な構図よりも、将来起こるかもしれない景色としては「決定的に安全な場所から相手がボロを出す機会を待つ」といういつかのネトゲで見たようなPKKの風景に近いものになるのではないでしょうか。
そしてまぁ経験者なら多かれ少なかれ感じていたように、しばしば、PKerよりPKKerの方が人間的にクズだったりするわけです。その溢れんばかりの正義感を解消する為に『敵』とその瑕疵を追い求める人びと。PKerとは違ったベクトルでめんどくさい人たち。彼らはその絶対安全圏で相手が先に手を出すのを虎視眈々と待ち伏せ、そして機会が来れば嬉々としてボタンを押す。それもいつかのPKKと同じでゲスとは言えますけど、それでも両者を比べたらまだマシな選択なのかなぁと。まぁ結論としてはやっぱり「アメリカ最悪」になるのは同じなんですけど。


死ぬ覚悟のない人間が他の誰かを殺すなんて、カミュさん辺りに怒られてしまいそうですよね。