(人口ボーナスの)終わりと(人口オーナスの)始まり

そんな労働人口(働く人)と従属人口(養われる人)のバランスについて。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34779
以前から指摘されていたお話、というかまぁ当然の帰結ではあるんですよね。かつて日本がそこに突入しそして1990年頃に終わったように、アジアの国々だって当然その『人口ボーナス』が始まった以上、いつか終わりを迎えるのだと。始まりがあれば終わりもあるんですよ、と。

減少に転じる労働人口

 アジアにとって、これらのテーマは学術的な関心にとどまらない問題だ。HSBCフレデリック・ニューマン氏が指摘するように、アジアの多くの経済国は、人口の「ただ乗り」の終わりに近づいている。中国の労働人口は2017年以降、減少していく。香港も同様だ。韓国と台湾では労働人口が2016年に減少し始め、シンガポールでは2018年に減少に転じる。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34779

ということで少し前から「次の経済成長が見込まれるのはアフリカだ!」なんて言われたりするんですよね。それまで世界の経済成長の中心であったアジアから、次にこれから続々と人口ボーナスの時期に差し掛かるのがナイジェリアなどを中心とした一部アフリカ諸国であるから。まぁそれがあったからといって――中南米がそうであったように――必ずしも成功するとは言えない所が難しいお話ではありますけど。


ともあれ、ようやく(?)アジアの彼らも我らが日本の仲間入りであります。特に中国さんなんかは「一人っ子政策」なんて斜め上なことをやっていたせいでよりあっさり終わってしまったのでした。人口ボーナスという幸運な時代から、人口オーナスという重荷の時代へ。よりぶっちゃけてしまえば『国家が老いる』ということについて。日本でも議論を呼んでいる、増税議論や移民問題から医療保険年金問題などなど、まぁやっぱりそうしたクリティカルな問題が背景にあったりするわけですよね。
そんな「一体誰が養うのか?」という問いについて、その解答としては一般に、

  • 子供を増やす
  • 移民を受け入れる
  • 社会保障を縮小する

なんかが挙げられていたりするわけです。今の日本でもさかんに議論されている増税のお話にしたってこうした根本的な辺りから議論しない限り、結局どこまでいっても対処療法にしかならないんですよね。まぁそんな対処療法の行き着いた先が、あのバカみたいに膨大に積み上げられた日本の借金なわけですけど。時間稼ぎが大好きな私たち。
そんな私たち日本の先輩たるヨーロッパの国々では移民という選択肢の結末によって見事に私たちのやる気を削いでくれているわけですけど、じゃあこうしたアジアの国々は一体どういった選択をするのでしょうね? 是非とも先輩になってしまった日本に何か良い方法を教えてもらいたい位です。
そんな『たったひとつのさえたやり方』を見つけるまでは時間稼ぎで何とか誤魔化して行こうと思っている私たち。うん、無理そう。