史上最強の元首相

これもダークヒーローの一種として見ると面白いお話なのかもしれませんよね。……他人事であれば。


鳩山元首相:イラン訪問へ 日本政府は不快感 - 毎日jp(毎日新聞)
時事ドットコム:鳩山元首相、6日からイラン訪問
わーたのしそー。しかし概ね皆さまから批判されまくっていますけど、ぶっちゃけ元々こういうお人だったわけなので何を今更感はあります。だから実はこのお話においてものすごく頭が痛くなってしまうのは、こんな彼を――言い訳のしようもない選挙によって――圧倒的支持の元に首相の座に据えたあの時の私たちの判断について、という点になってしまうのは以下略。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 鳩山由紀夫元首相が6〜9日にイランを訪問し、アフマディネジャド大統領やジャリリ最高安全保障委員会事務局長らと会談する予定であることが4日分かった。鳩山氏は同日、東京都内で記者団に「イラン情勢は緊迫の度を加えているが、戦争状態にしてはならない。個人の立場で努力したい」と語った。

 しかし国際社会は核開発を続けるイランに制裁圧力を強め、日本もイラン産原油の輸入削減方針を打ち出したばかり。玄葉光一郎外相は同日の記者会見で、鳩山氏のイラン訪問について「政府としては適切なレベル、適切なタイミングで働き掛けを行うことが極めて重要と考える」と述べ、不快感を示した。

鳩山元首相:イラン訪問へ 日本政府は不快感 - 毎日jp(毎日新聞)

ともあれ、どう見ても日本版『史上最強の元大統領』を目指しているんだろうなぁと生暖かい気持ちになってしまいます。
まぁ個人的にやりたいのであれば勝手にやったらいいと思うんです。ただ一点さえ解決してくれれば。議員を辞めてくれさえすれば、それこそ私人として好きにやってくれればいいと思うんです。いや別に彼の首相辞任当時に騒がれたような前言撤回*1を撤回しろとかそういう話ではなくて、そもそも、現役国会議員の貴方が行ってもそれってぜんぜん個人にならないじゃないですか。
それこそかつてのカーターさんのように、元指導者でありながらしかし私人として活動するという所にこそ、政府の公式なチャンネルとは別に(責任を回避しながら影響力を発揮するという)非公式な手法が生きるわけで。その辺の機微をまったく理解せずに現役議員でありながら「個人の立場で」とか無邪気に言ってしまう辺りこそが、心底の気の抜けるお話だよなぁと。


そんな「自己認識こそ全て」な振る舞いでさえも宇宙人たる「彼らしさ」と言えばやっぱりその通りなので、そんな彼に『元首相』というステータスを付与した私たちが背負わなければいけない教訓の一つだと言ってしまえば返す言葉もございません。