オスプレイ導入の最大のミス

「間が悪い」


オスプレイが岩国基地に到着、住民は抗議デモ 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでオスプレイがやってきたそうで。そして反対運動大盛り上がり。

【7月23日 AFP】米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ(Osprey)を乗せた民間輸送船が23日早朝、米軍岩国基地山口県岩国市)に到着した。最近も相次いで墜落事故を起こし、安全性に懸念が持たれているオスプレイの配備に反対する住民らは抗議デモを行った。

 テレビは輸送船からオスプレイが陸揚げされる様子を生中継した。そのそばでは抗議デモが開かれ、参加者らは「オスプレイはいらない」「オスプレイアメリカに帰れ」などとスローガンを叫んだ。

 オスプレイ岩国基地で点検を受ける予定。米軍は、10月から沖縄でオスプレイを本格運用する計画だが、沖縄県知事は安全性の疑問を指摘し、オスプレイの受け入れ拒否を表明している。

オスプレイが岩国基地に到着、住民は抗議デモ 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

そして安全神話だの感情論だの事故率だのアメリカの横暴だのという構図になってしまうと。うん、まぁ、どう見ても原発議論のそれで見た光景が繰り返されているだけですよね。ほんともう何でオスプレイ大飯原発だのなんだのが盛り上がって一段落ついたところ――そんな人たちが暇になった所――という最高で最悪のタイミングで来ちゃったんでしょうか。いやまぁ勿論それは長期計画の一端であり偶々そうなったんではあるんでしょうけど、しかし狙ったかのようにタイミングが完璧です。
せめてあと一年早ければ皆原発の話題でそれどころじゃなかっただろうし、逆にあと一年(あるいは原発で盛り上がる夏さえ避ければ)遅ければそうした『安全』に関わる議論も大分落ち着いたものになっていただろうに。何でよりによってこのタイミングで、というのが実感であります。
そしてまた感情対論理という不毛な争いがはじまってしまうと。いやぁ原発議論でもどうにもならなかったんだからオスプレイの議論でもそりゃあどうにもなりはしませんよね。でもなぜかその賛否に立つそれぞれの立場からどちらも、同じ構図でみんな同じ戦略で同じことを繰り返してしまう、のがこのお話の愉快な所なんだと思います。この「まるで成長していない」感。某キラ先生も言ってたじゃないですか、思いだけでも力だけでもだめなんだ、と。
容認派としては(個人的にはこちらですけど)感情の問題ばかりいっても仕方ないだろうとどうにかその安全性を論理的に説明しようとして反対派の皆様に聞く耳をもってもらえずに結果的に強行突破するしかなくて、そして反対派の皆様は感情問題一点突破で結局長期的には敗退してしまう。
だからその路線でいったら賛成派も反対派もどっちも不幸になるしかないじゃないですか。いやぁ繰り返される不毛な争いってどうしようもありませんよね。


ともあれ、まぁ元々問題に火をつけてしまったこと事態が悪手だったといっては身も蓋もありませんけども、やっぱりその辺りにまとまってしまうのかなぁと。
前原氏、オスプレイ陸揚げ延期求める…政府困惑 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
この辺りはいつもの民主党の皆様らしくて気が抜けるというかなんというか。なんでこの人たちは毎回毎回後になって苦労すると解っているのに「余計な一言」を口にせずにはいられないんでしょうか。余計な一言を自分たちで言ってしまって、後になって自分の首が絞まる、という黄金パターン。正直この悪癖さえなければもう少し楽に政権運営もできただろうに。
そういう風にとりあえず逆張りしておけば反対派の同情が幾らかでも買えると思っているんでしょうか。でも余計な期待を持たせて問題を大きくした分――そして後になってより大々的に強行突破するしかなくなって、結果的に何も言わない時よりもヒドイ結果になってしまうことをいい加減学習するべきではないのかなぁと。今回のオスプレイの件にしても見事にそのパターンをなぞっていますよね。この辺はやっぱりよく言われているように民主党政権というよりも『民主党』の体質そのものの問題ではあるのでしょうけども。


ともあれ、オスプレイ導入に関してはどうせなら決定的に航続距離伸びたその分「沖縄基地の負担が減らせるよ!」位言えばいいのにね、とは少し思います。ぶっちゃけ普通に反対論を述べるよりも基地容認派に対しては筋が良いんじゃないかなぁと。でも反対派の皆様がそれを言うとオスプレイの有効性を逆説的に認めてしまうのでそれも難しいのでしょうか。いやぁめんどくさいお話ですよね。


がんばれオスプレイ