そろそろもう特に書くネタがなくなってきたユーロ危機

なのでこうしたネタにもほいほい食いついちゃうんだぜ。あともういい加減「時間切れだー!!1*1」と延々聞かされて飽きてきた感も少しあります。オオカミ少年ぽい。


コラム:宗教学と経済学から見た欧州債務危機の深層=上野泰也氏| 外国為替| 外国為替フォーラム| Reuters
しかしまさかのウェーバー先生の『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』ネタが復活するとは。南北アメリカに当てはめて成功国家だの失敗国家だのするのは少し前までよくありましたけど、こうして現実にヨーロッパを舞台としてのお話として帰ってきてしまうなんて。一周周って元の位置に戻ってきた感がすごい。回遊魚か!
勿論それが全てだとは言えませんけども、しかしまぁそれなりに納得してしまうお話ではないのかなぁと個人的にも思ったりします。近い事例としては食糧確保や屋外でも最低限の生活を確保できる熱帯に住む人よりも寒帯に住む人の方がそうした文化を持ちやすいのではないか、という伝統的議論とか。結局の所そうした『宗教』も後天的な環境要因の一つではあったりするんじゃないか、という議論はそれなりに理解できるかなぁと。
まぁこうしたお話は一歩間違えると『優生学』な所にまで踏み込んでしまうのでなかなか扱いが難しいお話でありますよね。


ともあれ、欧州危機の深層について。

欧州債務危機は、最終的にどうなるのか。保坂教授は、2012年7月8日付東京新聞のインタビューで、「EUやユーロは経済的な損得だけではなく、キリスト教徒の互助的な仕組み」であるとして、「倫理観の違いは大きいが、最終的には必要な財政支援が行われ軟着陸するのではないか」と答えている。

筆者の場合、通貨統合から離脱する国を1つでも出してしまうと、統合そのものへの信認が決定的に失われてしまい、「火事」はもはや手がつけられなくなる恐れが大きいという点、すなわち通貨統合参加国は一種の「運命共同体」であるという点を重視している。ただ、長い時間をかけつつ危機は収拾されるだろうとの見立ては同じである。

コラム:宗教学と経済学から見た欧州債務危機の深層=上野泰也氏| 外国為替| 外国為替フォーラム| Reuters

少なくとも欧州連合の中央の皆様は表層的にはそうしたヨーロッパの『キリスト教色』は排除することに必死なのに、そんなことぶっちゃけちゃったら彼らの面子丸つぶれです。
個人的には今の欧州連合って、キリスト教徒云々からの互助的な仕組み云々というよりは、むしろ『戦争被害者の会』の部分が強いと思うのですけどもその辺どうなんでしょうか。そしてだからこそ「ヨーロッパの平和」や「対東側の砦」という役割が終わってしまった後に、「われら一つのヨーロッパ人」という運命共同体大義を誕生させなければならなくなったわけで。そして「早すぎたんだ腐ってやがる」オチ。キリスト教互助なんて言ったら1648年以前に逆戻りです。まぁそれも一周周って逆に新しいのかもしれませんけど。
それが最早背水の陣になっている、というのは多分その通りで、「じゃあ一体どうすればいいのか?」というのが現状の爆弾回しゲームの構図であるのでしょう。そこで「じゃあもう政治同盟までいくしかないな!」と息巻くドイツさんと、「いやいや現状維持でとりあえず目の前の危機を回避しよう」というフランスさんたちによる、両者のチキンレース。進むべきなのか引くべきなのか。当然僕なんかにはどうなるかなんてわかるはずもありません。


ドイツ国民:大半がギリシャのユーロ離脱望む−世論調査 - Bloomberg
さて置き、個人的には最終的なタイムリミットはメルケルさんの任期までなのかなぁと。何か決定的な事件等が起きない限り、今の(ドイツ国民の世論の)ままだとメルケルさんの後任は「より」強硬な態度に出てしまう可能性が高そうだし。その辺りまでに解決できなければ、先送りしまくってきた膨大なツケと合わせて、もうある程度血を見ないことには解決は無理じゃないかと思っています。


がんばれユーロ。