聖なるかな我らの領土

ただでさえ「なのは完売!」で忙しい時期だというのに。


韓国大統領が竹島に上陸、史上初 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
お、おう。まぁあちらの国にも色々事情があるのでしょう。だからといって、それを言った所で、こちらの「そんなこと知ったことか!」とお怒りになる人を止められるとも思えませんけど。
21世紀の今だからこそ領土問題が流行る理由 - maukitiの日記
以前の日記でも書いたように、そうした行為が想像できなくなればなるほど、それを目の当たりにした時によりセンシティブな反応になってしまうのは当然のお話でありますよね。韓国や中国(そして少なくない日本の人たち)の彼らは、時代遅れだから領土問題に熱中するのではなく、むしろ21世紀に生きる現代だからこそ、その神聖さや絶対性を確信してしまう。幸か不幸かは解りませんけども、現代に至って国家における固有の『領土』という概念は、より不可侵なドグマへと昇華してしまっている。そういえば関係ありませんけど「処女厨」という言葉がありましてね。いや、関係ありませんよ?
ともあれ、それまでは何とか進んでいたはずの日韓の軍事協定も一気にその風向きが変わって*1、民主国家の政治家たる『大統領』だからこそその逃げ場としてこうするしかなくなってしまった、という構図はやっぱり理解は出来る所であります。その対日ポジションを明確に示してみせる為の一発逆転のカード。
敢えて古典的な国際関係のお話風にビリヤードの球で表現すると、韓国がその反対側から突かれた結果、見事に日本の側に飛んできた感じでしょうか。
こうなるともう既に二回延長された日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA、通称「情報保護協定」)の締結は、いよいよもう日本側の努力だけでは怪しくなってきたなぁと。
ということで、たすけてアメリカえもーん! というオチになるのでしょう。でも仕方ないよね、だって自分の力じゃどうしようもないんだから。




さて置き、日本側の対応云々でお怒りになってしまう人がちらほらいらっしゃいますけども、しかしそれ以前の問題ではあるんですよね……。
そもそもの記者会見の内容としてあった、

Q:先程の竹島に関する感想のところで「内政上の要請だ」というふうにおっしゃったのですが、それは大統領がそのような要請で動かれているという見方なのですけれども、その上で大臣はそのことについてどのようにお考えでしょうか。
A:それは全ての国に内政があって、日本にも日本の内政があって、他の国の内政に他の国がとやかくコメントすることは控えるべきことなのではないかと思います。

防衛省・自衛隊:大臣会見概要 平成24年8月10日(09時31分~09時50分)

という元ネタが、

 森本敏防衛相は10日午前の記者会見で、李明博韓国大統領の竹島訪問について「韓国の内政上の要請によるものという印象を持っている。他の国の内政にほかの国がとやかくコメントするのは控えるべきだ」との考えを明らかにした。玄葉光一郎外相らは、「わが国の立場と相いれない」などとして抗議する姿勢を示しており、閣僚間で認識の違いが表面化した。
時事ドットコム:森本防衛相「韓国の内政問題」=玄葉外相らと認識の違い−大統領の竹島訪問

こんな風に「ニュース」にされ、

 森本敏防衛相は10日午後、防衛省で記者会見し、李明博韓国大統領の竹島訪問を「韓国の内政上の要請」とした自身の発言について、「内政上の要請があったのだろうという推測を申し上げた。竹島問題が韓国の内政問題だと言った覚えはない」と釈明した。
時事ドットコム:森本防衛相、竹島発言で釈明

そして挙句には「釈明」しなければいけなくなる、という素晴らしい構図。なにこれ。え、コント?


まぁ日本のマスコミの皆さんの自民党政権時代から続く伝統芸といっては身も蓋もありませんけども。なまじそれで上手くいってしまったものだから、やっぱりこうして繰り返されてしまって誰にも止められない。いやぁ素晴らしいです。これでこの人たちはしれっと「国民は落ち着いた対応を」とか言っちゃう辺り、ほんともう笑って良いやら悲しめばいいやら怒ればいいやらよく解りません。