下から二番目に悲惨な人たち

時折ニュースになっても救いの手はやってこない人たち。



チベット問題で行動を 人権デーで国連前に4千人 - MSN産経ニュース
16歳のチベット人女子生徒が焼身自殺 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで局所的に盛り上がってるチベットの人たち。でもまぁ「報道されない!」と怒ってみても、やはりその本質的な原理でもある「如何にニュースとして関心を集めるか」という点において弱いので、おそらくこのままなのでしょう。ごくありふれた悲劇。でも仕方ないよね、国際世論において発言力がないのが悪いんだ。もっと日本に発言力があれば良かったのにね。
本邦には「*ただしイケメンに限る」というとても便利な言葉がありますけども、やっぱりそれはこうした人権侵害の取り上げられ方でも同じなのでしょう。
それこそ「中国人がチベット人を弾圧する絵」と「ユダヤ人がパレスチナ人を弾圧する絵」を、あるいは「白人が黒人・アラブ人を弾圧する絵」と比べてどちらがより耳目を集めるかというと、やっぱり後者の方がより多くの人の関心を集めてしまうのは仕方ないことなのかもしれません。そのリソースには限界があるからこそ、より美しい物語を求めてしまう私たち。
おそらくその過酷さにおいて、チベット(あるいはウイグル)の人たちが受けているそれは後者と大差ないのでしょうけども、しかしそれはあまり関心を集めないニュースとして右から左に消費されていってしまうだけ。


個人的には、「そもそもニュースにはなっても関心を集めない」という近い前例としてロシアのチェチェンなどがあるので、まぁ今後も似たような構図を辿っていくのではないかなぁと少し思います。

 また新華社は9日、チベット僧とそのおいが8人のチベット人焼身自殺を唆した疑いで拘束されたと報じた。警察の「捜査と自白」で、このチベット僧はチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ(Dalai Lama)14世から指示を受けていたことが分かったと新華社は報じている。

16歳のチベット人女子生徒が焼身自殺 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

皮肉な話ではありますけども、広義の意味では「ダライラマさんが指示した」というのは実はそれなりに正しいのではないかと思うんですよね。
むしろ彼が居るからこそ『焼身自殺』で済んでいるんじゃないのかと。優れた指導者――そして非常にバランス感覚のある現実主義的な政治家でもあった当代ダライラマさん亡き後、一体どうなってしまうのかなぁと心配になります。現状ギリギリの所で保たれている、中国政府とチベットの危うい均衡状態について。




ちなみに『一番下』に悲惨な人たちというと、「そもそもニュースにさえならない人たち」であるので、チベットの人たちはそれよりは未だマシであると言えるのかもしれません。いやまぁニュースになっても行動が起こらない、というのもそれはそれでかなり悲劇的ではありますけども。
みなさんはいかがお考えでしょうか?