だから冬(危機)を乗り越えられるアリさんたち

二重の意味で正しかった『アリとキリギリス』の童話。勤勉さとそのリソース管理が生死をわけるのだ。


働くアリだけのグループにしても働かない個体が現れることが証明される(北大研究) : カラパイア
ということで結構昔からトリビアとして語られる、働きアリのコロニーのなかに一定数存在するとされる「働かないアリ」さんたち。それは上記のように、働くアリだけを選別してみても、逆に働かないアリだけを選別しても、やっぱり同じような比率へと収束してしまうらしいです。
でもまぁ効率の面からすれば当たり前のお話ではあるんですよね。システム管理の「遊び」である余力を残しておくのは最適解ですらあります。もしそのコロニーを維持存続させていく為の働きアリたちが一部機能しなくなっても、予備戦力でどうにかできる。リソースに余裕があるからといってどんどんと規模を拡大させるのではなく、敢えて遊びは遊びのまま置いておいて危機に備えるのです。
やっぱりアリさんたちも弱肉強食の世界に生きる進化系の最前線にあって、そうした組織管理の最適解は遺伝子のレベルで備わっているんだろうなぁと。適者生存的ではありますけど。ドラッカー先生のマネジメントを読むまでもなかった。



で、まぁ翻って人間――日本人な私たちを見ると、それはまぁ蔑ろにされまくっていますよね。長期的には全て死んでいるから問題ないと言えばその通りではあるんですけど。しかし、こうした視点から見ると「アリ以下」な私たち。
稼働率100&だとか、余力0%だとか、正直悪夢でしかないというのに。
そもそもそんな全く余力の無いシステムの方がおかしいわけで。こなす作業量100%ちょうどの人員さえいればいい、なんてことあるわけないんだから。万が一のことがあったらどうするのかと。まぁ去年の日本でも電力供給率100%いってないから大丈夫だとかちょっと何を言っているのか良く解らないレベルの人が一杯いたわけですけど。


アリさんたちはこうして本能というレベルで解っているのに、しかし私たちは「解っていて」そこへ足を突っ込んでしまう。いやぁ人事労務管理っておそろしい。
働きアリマジヤバイ。転じて人間ヤバイ。