「イスラエルの敵だ!」と同じポジションに立たされない為にこそ

ロビー活動コワイ。


従軍慰安婦問題、いわゆる「河野談話」の訂正は可能か? | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
かなり同意できるお話ではあるかなぁと。
ああ、すべては国際世論(ワールド・オピニオン)の選択のままに - maukitiの日記
先日も書いたお話ではありますけども、やっぱり歴史云々は別としても、やはり価値観としてあちらの土俵に乗る以上は「訂正」は国益という観点からもあまり筋がよろしくないのではなかと思います。

旧軍に対して過剰なまでに「名誉回復」を追求するという姿勢を続けることは、まるで日本の「国体=国のかたち」が戦前戦後で同一であるような誤解を与えるからです。そうなれば、「現在の日本も軍国日本と同一の枢軸ファシスト」だなどという、中国などの理不尽な批判を勢いづかせることになるからです。

 それはともかく、米国では1月に入って、昨年11月に選出された新議会が開会しています。この「第112議会」では女性議員の進出が目覚しく、上院では定員100名中20名、下院は定員435名中78名が女性という史上最高の人数となっています。間違っても「河野談話」の取り扱いを誤って、現在の日本という国そのものが「女性の人権の敵」として、米議会のターゲットにされるようなことがあってはなりません。

従軍慰安婦問題、いわゆる「河野談話」の訂正は可能か? | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

特にこの辺りは「ロビー活動」が盛んなあちらさんでは結構めんどくさい問題に発展してしまいそうだよなぁと。その点はものすごく同意する所であります。
実際、有名なイスラエルロビーさんのように、そもそも彼らの力の源泉はその「議会に対する影響力」であるわけで。彼らは直接的に米国大統領に影響を与えているわけではなく、各々の議員へのアメとムチ――マネーと圧力を使い分けることで、「議会を通じて」間接的にアメリカ大統領の政策にまで影響を与えているのです。その構図としてはブッシュさんにしろオバマさんにしろ違いはない。大統領個人としても国益としても概ねイスラエルなんてどうでもいい――そしてそれは概ね正しい認識でもある――と思っていようが、しかし大統領はその(ロビーの影響を受けた)議会の意向そのものを無視するわけにもいかないのです。


――で、州議会という足元の足元の段階ではありますが、例えばこんなことになっちゃったりすると。
米 州議会に慰安婦謝罪求める決議案 NHKニュース
いやまぁ別に韓国さんちからやられるのはそこまで重要だとは思いませんけども、しかしこれを中国さん絡みの問題として見ると、冷泉先生の仰るとおり、結構めんどくさいことになってしまいそうです。やっぱり米国議会でも今後は益々所謂「チャイナロビー」の影響力が増大するといわれる昨今にあって、そうした彼らの活動をよりし易くなってしまうのは、日本にとって損にはなっても利益には決してなりませんよね。
幾ら日本には地政上の優位やイデオロギーなどの親和性があるからと安心してみても、米国の政策が地道なロビー活動によってイスラエル支持のように偏向してしまう可能性はゼロではないわけだし。あんな風に、現実とかけ離れた所で『敵扱い』されてしまったらたまりません。
それこそ、そうやってあちらで言い様にロビイングされ反日世論が形成されてしまったのが、太平洋戦争前夜のあの頃じゃなかったのかと。


もちろん、こうしたアメリカの政治は端から見てもロクでもないものにしか見えませんが、しかし外から何を言った所で、現実にあちらでは合法であり当たり前の政治活動でしかないわけで。結局私たちは「そんな」アメリカと付き合っていくしかない。
こちらが尻尾を振るうのではなくて、むしろあちらにこちらの望む選択肢をスムーズに採らせる為にこそ。どうせならそれを弱点としてではなく、むしろ武器として使って欲しいなぁと思う所であります。