一般社会なら恨まれて後ろから刺されても不思議じゃないレベル

「無能な指導者」ではなく「無能な上司」によって祟られる不幸な人。多かれ少なかれ誰しも経験あったりするんじゃないでしょうか。


主将の重圧、悩む高2に「二軍でいいか」と顧問 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ということで、自殺したキャプテンの少年について。
あくまでニュースをちらほら見ただけの適当な感想でありますが、(体罰云々というよりは)どう見ても『無能な上司』のそれだよなぁと。結局この少年は『無能な上司』に殺されたんじゃないかと。

 「キャプテンだったら、ルーズボールは一番に取りに行け」。タイムアウトをとった顧問は厳しく生徒を叱り、頬や頭を何度もたたいた。練習後、生徒は教官室で顧問と一対一で面談。「キャプテンがしんどい」と打ち明けると、顧問は「じゃあ、Bチーム(二軍)でいいのか」と迫った。最終的に「キャプテンを続けるのか」という問いに、生徒は「頑張ります」と答え、面談を終えた。帰宅後、「今日も30〜40発ぐらいたたかれた」「Bチームでいいのかと言われ固まって何も言えなかった」と母親に打ち明けたという。

主将の重圧、悩む高2に「二軍でいいか」と顧問 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

キャプテンだからと毎日数十発殴るとか、キャプテンだからと敢えて他の人の前で叱るとか、まぁわざとやっているのかという位所謂『リーダー論』とは真逆のことをやっていますよね。そんなものでリーダーシップが醸成されるなら世界中のリーダー論を真面目に研究している人たち全員土下座するしかない。顧問はリーダー論についての本を当のキャプテンに貸していたとか言われていますけども、その前にまずお前自身が読め、という感じであります。いやまぁそんなリーダー論の本にしても巷に溢れ、やっぱり中身がロクでもない本も結構あるらしいのでそれを参考にしたせいだったらとても救えませんけど。
「叱る時はこっそりと、誉める時はみんなの前で」
そうやってアメとムチを使い分け「無用な恥をかかせない」ということがそうした本の――それこそ真っ当な本であれば――第一原則のレベルに書いてあるはずなのに。
それと真逆のことをやっているなんて、一般社会なら恨まれて後ろから刺されても不思議じゃないレベルですよ。いやマジで。パワハラとして訴えれば十分勝てる見込みあるでしょう。


かくして「キャプテン」として辱められ、追い詰められた少年は――そのマジメさ故に――自殺に至ってしまった。いやぁ救えないお話であります。