世界最大の胃袋

軍事や経済なんかよりも一足先に、世界の超大国へ。そんな中国さんちのハラペコ属性。


ニホンウナギ:絶滅危惧種に環境省が指定− 毎日jp(毎日新聞)
そういえばニホンウナギさんが環境省レッドリストに載ったそうで。初めの第一歩としては、とても良いことなのではないでしょうか。まぁその次の実効性をいかにして確保するか、という点がいつだって大問題であるわけですけど。
水産庁、ウナギ資源管理を比にも拡大 漁獲量の正確な把握目指す (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
以前書いて、なぜかよく解らない方向で見事に怒られてしまったウナギ日記駆り立てるのは野心と欲望 - maukitiの日記の本題ではあるんですが、結局、如何にしてその「適切な資源管理」を実現するか、という点こそが問題であるわけですよね。
それは管理への実効面からの要請でもあると同時にまた、やっぱり(特に国内的な)説得力の問題でもあるわけで。「日本だけが禁漁だなんて許せない!」という一部から必ず生まれる感情は、まぁバカを言っているから無視すればいいと言えば話は簡単なんですが、でもやっぱりそんなことできませんよね。
だからこそ国際的な枠組みはやっぱり必要となる。
――で、しかしその相手となるのは「世界に冠たる漁業国家」となりつつある、あの中国さんちが相手でもあるわけで。
コンゴで不法操業 中国漁船が世界に拡大 WEDGE Infinity(ウェッジ)
正直あんまり期待できないよなぁと。

 政府は昨年9月、稚魚の資源量に応じた漁獲量の管理を目指し、ウナギの養殖を手がける中国、台湾と協議を開始。今後は北西太平洋の産卵場に近いフィリピンにも参加を働きかけ、漁獲量をより正確に把握、実効性のある資源管理につなげたい考えだ。

水産庁、ウナギ資源管理を比にも拡大 漁獲量の正確な把握目指す (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

その意味では中国・台湾に続き、今回フィリピンを巻き込んだのってやっぱりそうしたパワーバランスという側面もあったりするんじゃないかと思うんです。一人で立ち向かうよりも、二人、三人がかりの方が可能性は高いだろうと言うのはその通りなわけだし。


この辺りの問題は別にウナギに限ったことじゃないんですよね。それこそ今後考えなければならない、世界全体の漁業管理問題の根幹そのものであるのでしょう。

 シンガポール南洋理工大学に属す章轟週という専門家が著した論文によると、中国は現時点で既に世界最大の漁業国だ。100万隻以上の漁船と、1300万人以上の従事者を抱える。わが国の場合、それぞれ約18万5000隻、17万8000人に過ぎない。

コンゴで不法操業 中国漁船が世界に拡大 WEDGE Infinity(ウェッジ)

世界最大の漁業国――ついでに言うと最大の「不法」漁業国でもある――中国さんと無視するわけには絶対にいかない。地球温暖化の問題でもそうでしたけど、結局のところ、問題の大半を占める中国(やアメリカ)などを無視して進めてもまるで意味はないから。


まぁ昨今の中国への日本(特に高級)食文化の侵略っぷりを見ると、近い将来ウナギも似たようなコースをたどるんじゃないかなぁと思うので、そうなってしまってはマジ手遅れなので、今のうち頑張った方がいいんじゃないかと少し思ったりしますが。昨今のデフレと安売り競争を見ると勘違いしてしまいがちですけども、やっぱり日本のウナギ消費量なんてここ10年ずっと減り続けてもいるわけだし。
しかしおそらく中国さんちはそうではない。世界最大の胃袋を持ち、そして益々金持ちが増えていく中国さんち。


がんばれ関係者たち。