聖戦主義者はどこにでもいる

ここにも、そこにも、あそこにも!


「国産ジハーディスト」出現、理解に苦しむカナダ当局 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで私たち日本も他人事では済まされなかったあのアルジェリアの人質事件について。その犯人達の中にカナダ出身の人物が居た、というお話があったそうで。驚愕とか言ってますけど、あの『9・11』の首謀者であるモハメド・アタさんさえも、元はといえばドイツの留学中にこそ『聖戦』に目覚めてしまったわけで。以前からヨーロッパなどでは結構あるお話ではあるんですよね。
それこそ9・11以後からそうしたテロを企む人たちがリクルートする人材は、当局の取り締まりが厳しくなった結果、海外から持ってくるのではなく元々国内に居てより怪しまれにくい人びとを使うようになっている。いやぁイタチごっこですよねぇ。

 2人は家庭に居場所がなく憤り、最終的に家族との縁を切ったという報道もある。また高校を卒業した後に働いたが、雇用者たちから礼拝の時間を許可されなかったため、単純労働の職を転々とせざるを得なかったとも報じられた。

 RCMPが公開している、いわゆる「国産テロリストの脅威」に関する手引き書は、イスラム教への改宗はメディアでは「テロ行為へ一直線」のように描かれることが多いが、イスラム教は世界で急速に拡大している宗教の一つで、改宗者の大半は単にイスラム教によって「目覚めた」と感じた平均的な人々だと述べている。一方で「イスラム系テロリストたちの計画に改宗者は絶えず存在し、米国では未遂に終わった計画の容疑者の約半数は改宗者だ」としている。RCMPでは「過激派が操りやすい情動状態を、改宗という体験が生み出しうる」というイスラム指導者たちの懸念を挙げている。

「国産ジハーディスト」出現、理解に苦しむカナダ当局 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

イスラムは世界で急速に拡大している宗教の一つ」である。日本ではあまり理解されない現象ではありますけど、しかし世界全体で見るとそういうお話なんですよね。それだけの歴史と伝統をもつ、魅力的な教えでもあるのだと。
ガチユダヤで色々と批判されるクラウトハマーさんの言葉なので、もちろん全てに頷くことは出来ませんけども、しかし面白いと思うのは「ヒトラースターリン(そして恐らく私たち日本でさえも)のような一朝一夕な彼らですら組織的な熱狂的信仰・救世への期待・殉教といったことが出来たのだから、それが本物の歴史と伝統を持つ『イスラム』に出来ないはずがない」と仰っているのは、その通りなのだろうなぁと。
イスラムは悩める現代社会においても、ある種の救済をもたらしてくれる。それはまぁ真に迫った精神上の答えの一つでもあるし、現在の資本主義・民主主義社会に対しても必ず存在するだろう不満に応えるイデオロギー上の解答例の一つでもある。


そしてそんな救済こそが、また別の孤立を生んでしまう。
デラシネな人びと - maukitiの日記
この辺は以前書いた『デラシネ』な人びとに関連したお話であるのだろうなぁと。(大きな広がりを持つことでより中和され穏健化した)地域社会から分断されてしまっている、「根無し草」な人びと。故に欧米諸国など、非イスラム教国家でこそ分断され、聖戦主義へと陥いる道がより安易に開けてしまう。
これはイスラムに限った話ではありませんが、彼らは原理的な姿を取り戻す為に戦っているというよりは、むしろ戦うことで自らのアイデンティティーを自己確認しようとしているのです。あくまで基本には先ず周囲を取り巻く「西側価値観」「欧米的価値観」といったものがあって、それとは違うということを証明する為に、彼らは『聖戦』に打って出る。
つまり「敵を攻撃をすること」が自らの存在証明であるのだと。故に彼らは聖戦主義者たちである。


いやぁ不毛なお話ではありますよね。既存のものを破壊することで自己証明しようとする人たち。しかしこうしたやり方は多かれ少なかれ誰にもある振る舞いで、故にありふれ過ぎていて解決策がとても見つからない。
みなさんはいかがお考えでしょうか?