オバマさんの憂鬱な五月。
米内国歳入庁の不適切な税審査―問題は広範に - WSJ.com
リビア領事館事件めぐり米国で党派対立再燃 次期大統領選にらみヒラリー氏批判 +(1/2ページ) - MSN産経ニュース
米政府がAP通信記者の通話記録を入手か、2012年の2カ月間| ワールド| Reuters
ということで選挙も乗り切りついでに経済も上を向いてきたおかげで、二期目の「死に体」化もなんのそのと安定した政権運営に入るかと思いきや、オバマさんに逆風が吹きまくっております。しかも一つじゃなくてここ数週間で一気に噴出というレベル。いやまぁ経済や外交といった基礎部分が安定しているだけに、相対的にこうした問題が目立っているとも言えるのでしょうけど。
- 帰ってきたベンガジゲート
- 7 revelations from the Benghazi 'whistle-blower' hearing
- 前回大統領選挙中*1から騒がれていた案件ではありますが、新たな証人が出てきたことで新展開であります。
- 米大統領、リビア領事館襲撃「テロと認識」 :日本経済新聞
- で、オバマさんはこれまで通り、共和党が仕掛けた政治ゲームに過ぎない、と一蹴している。
- どちらかというと標的は次の大統領選で強力な候補となりそうなヒラリーさんなわけですけども、しかしだからといってオバマさんも(共和党が騒ぎ続けるので)連帯責任的な意味で放置することもできずに結局炎上中。
- IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)ゲート
- 前回大統領選の時、政治団体設立による寄付の免税(及び匿名化)措置の審査手続きの際に、特定の政治団体――「茶会」や「愛国」といった名前だけでなく、政治的に「大きな政府」に反対する人たちまで――に対して不正に厳しく審査していたことがバレで大騒動に。「IRSが政治的見解に基づいて米国の納税者を選別し、標的にしていたことを認めたのは驚きであり、衝撃的だ」と共和党は大盛り上がり。
- 米内国歳入庁に説明責任=オバマ大統領―不適切な税審査で - WSJ.com
- これはオバマ政権の皆様としても、最早反論の余地もなく、ひたすら低頭し「ゲンバの暴走であります」と繰り返すしかない。ただそれで収まるのかというとやっぱり無理だろうなぁと。
- Congress Put Pressure on the IRS to Investigate Conservative Tax-Exempt Groups - The Atlantic
- IRSがこうした不正手続きに至った背景として、選挙期間中の上記共和党支持の保守系政治団体の申請の大幅な増加を受けた結果、こうして厳格な手続きをするように(民主党側から)圧力がかかった、としているそうで。
- 果たして不正なこの手続き手法を誰が最初に思いつき、どこから命令は出ていたのか?
- 米司法省によるAP通信への記録押収
- テロ計画報道でAPの電話記録を押収=米司法省 - WSJ.com
- AP通信の独自ニュース(イエメン発米国行き旅客機で爆弾を爆発させるテロ計画)の取材源を探るため、その通話記録をひそかに収集していた問題。
- 厳密に言えばこうした行為は「違法」ではないものの、しかしだからといってやり過ぎていいのかというとやっぱりそうではないわけで。報道機関への強制的な調査であれば特に。
- 「AP通話記録収集、米報道官「機密漏洩は許せない」」 News i - TBSの動画ニュースサイト
- やっぱり日本と同様、あまりにも乱暴にやりすぎると政権そのものがメディアから嫌われてしまうことにもなりかねない。上記ただでさえ色々あるというのに、こうしてメディアとの関係にまでヒビがはいってしまうと、逆風は益々強くなってしまいそうですよね。
本命としてはやっぱり二番目のIRSゲートでしょうか。このあたり『アメリカの分裂』という視点からすると、決定的なアメリカ市民間にある政治的憎悪の引き金となりかねないし、そもそもの公共機関への信頼性という点までも踏み込んでしまいかねない。同時にまた『大統領選挙』に関わるスキャンダルでもあるわけで。
こうした問題は一体どこまで燃え広がるのか。やっぱりどこまでいっても他人事なので、胸のドキドキ、止まらないよ!(日朝アニメ風)