韓国さんちのやる気(出過ぎる)スイッチ

Q.やる気スイッチ韓国さんちにはどこにあるのだろうー? 
A.大日本帝国や独島やハングルの辺り。



韓国、評論家の呉善花氏の入国を拒否 評論活動が影響か+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
"入国拒否" 呉善花・拓殖大教授が会見
ということであの産経さんが先行する形でニュースとなったので生暖かく見守っていたら、概ね報道どおりのことがあったそうで。入国禁止ですって。まぁテロリストな人ならともかくとして、ただの言論活動では珍しいといえばその通りなんですけども、中国さんちなんて他国へまで入国拒否を暗に要請したりするのでそれよりはマシと言えるのかもしれません。まぁ下を見たらキリがありませんけど。
韓国出身評論家、「祖国」から入国拒否 「ハングル至上主義」批判記事が原因か : J-CASTニュース
で、その原因の一つとして、彼女のハングル批判がそうさせたのではないか、というお話があるそうで。

この記事の内容が7月25日になってウェブサイトに掲載され、韓国メディアの目に触れたようだ。そのわずか数日後の7月27日には、ソウル新聞がSAPIOの記事の内容を詳細に紹介し、
「このようなハングルの優遇政策が、世代間の文化断絶を呼んできた韓国人がノーベル賞を受賞できない理由という不合理な分析を出した」
と批判した。呉氏のことを「親日反韓女性評論家」と表現し、過去の著作についても
「実は日本の極右勢力が呉善花を立てて代筆したのが有力という分析が出ている。日本の極右勢力は、呉善花のでたらめの主張を根拠に嫌韓論を拡大再生産している」
と攻撃した。
その他のメディアも呉氏の入国拒否のニュースを伝えるなかで、この「SAPIO」の記事に触れており、ニュースサイト「マネートゥデイ」は「韓国語を公に侮辱した」と批判したほか、東亜日報も「とんでもない主張を展開した」と指摘した。

韓国出身評論家、「祖国」から入国拒否 「ハングル至上主義」批判記事が原因か : J-CASTニュース

あー、なんというか、見事に地雷踏んでしまった感。反韓で、親日で、済州島出身で、ハングル批判、満貫=入国拒否であります。
私たち自身もそうであるように、多かれ少なかれ『母国語』への愛着は何処の国でもあったりするわけですが、しかし韓国さんちはその想いが殊更に強かったりするんですよね。特に戦前戦中におけるハングルを挟んでの日本との関係性はまぁそれはそれは色々とあったりするので――詳しく書こうとすると絶対に左右から絡まれて泣きたくなるので割愛――その経緯はともかくとして、結果として現代の韓国さんちではハングルへの愛着とナショナリズムは限りなく密接に関連している。
『独島』に背負わされた建国神話 - maukitiの日記
以前の日記で韓国では『独島』が建国神話=対日勝利の象徴となった、と書きましたけど、その意味で言うとやっぱりハングルもかなりの面でそうした扱いとなっているわけであります。日本から「取り戻した」我らが母国語であるし、今でこそ分断されているものの朝鮮半島国家における(かつてあった)民族統一の象徴でもある。その意味では世界でも有数の、その自らの言葉を強烈に(態度で示すという意味で)愛している国の一つではあるのでしょう。




さて置き、以下余談、あるいは本題。
この呉善花さんへの入国拒否問題と、ハングルへの愛情への話題で思い出したのが『アレアハングル』のお話であります。
アレアハングル - Wikipedia
1980年代の後半にハングルが使えるワープロソフトを(当然世界で)最初に生み出したこの『ハングル&コンピュータ』という企業は、まぁ例によって「民族の誇り」としてあちらの国ではとても愛されていたわけです。ところが、まぁこちらも例によって例の如く、海賊版の横行によって企業としては青色吐息でありました。ちなみに、そんな韓国さんちで有名なのは、世界中ほとんど何処の国でも蛇蝎の如く嫌われつつもなんだかんだ愛されているマイクロソフトの『ワード』が、シェア一位ではない「唯一」の国と言われているんですよね。この海賊版が横行しながら愛されている『アレアハングル』のおかげで。
もちろんあの強欲で世界帝国なマイクロソフトさんちがそこに乗り込もうとしなかったわけもなく、アジア経済危機の際にはそれこそアレアハングルを買収することで一斉に攻勢に出ようとしたのであります。経済危機の最中ならばその資金は安く済むし、海賊版の横行を抑止し大きな市場を手に入れることができるだろう、と。
――ところがその買収は見事に失敗してしまう。
「民族の誇り」を奪われることを恐れた韓国の人々は、一般市民だけでなくマスコミや政財界を巻き込む形で反対運動を繰り広げることになるのです。そんなことなら始めから海賊版じゃなくて正規版使ってやれよとも思わずにはいられませんが、しかし何はともあれ、彼らはその現代社会におけるハングルの使用に密接に関わるそのワープロソフトを「民族的産業」として守ろうとそれはもう激しい反対運動が繰り広げられることになったのでした。かくしてマイクロソフトさんは撤退し、シェア一位の座は守られることになったのです。
日本で言うと懐かしの『一太郎』を国民からの寄付とナショナリズムな応援でシェア維持させるようなものでしょうか。まぁ日本ではあまり理解されない感情ではありますよね。しかし、韓国では絶対にそうではない。私たちが覚えておかなければいけないのは、結局そういうことなのだと思うんですよね。
つまり――別にその是非はともかくとして――幾ら隣国であろうと彼らは別の国の人間であり我々とは違う価値観で生きている、ということを肝に銘じておかなければいけない。あまりにも普遍性を信じると痛い目に遭ってしまうよ、と。
上記アレアハングルのお話は『グローバリズムの「失敗」に学ぶ15の原則』という本からの引用でありますが、そこで述べられているマイクロソフトさんちのお話から得られる教訓というのは「幾らグローバリズムだの市場開放経済だの言った所で、しかしその国独自のローカルな政治問題は必ず存在していて、それを忘れて普遍性があるだろうと楽観したまま手を伸ばすと痛い目に遭うよ」というお話であります。そして著者はそれを(現地では必需品と愛されているものの外国人にはとても受け入れられない)韓国名産のキムチをして『キムチ現象』と名付けております。



彼らのハングルに対する異常な愛情。愛情がありすぎてそれはもう普段では見られない態度に出てしまう。愛ゆえに。
韓国だけでなく世界中の国や、そして私たち日本にもそうした点はやっぱりあるわけで。私たちには私たちの歴史があるように、あちらにもあちらの歴史がある。そんな風にして自国内のみでウェストファリア風に付き合っていければ楽なんですけどね。しかし溢れる善意によってどうしても他国のそれにまで口を出したがる人が居るのは、おそらく喜ばしいことであると同時に、まぁ疲れるお話でもあります。


ということで今回の入国禁止云々の個人的感想としては良いとか悪いとかそういうレベルではなくて、まぁハングルの歴史を批判しちゃったらされても不思議じゃないよねだって韓国だもん、という辺りでひとつ。