今度は僕らみんながインディアン

毛布こわい。


痛いニュース(ノ∀`) : 今後60日で人類とエボラの勝敗が決まる…「失敗すれば人類は敗北」国連幹部が声明 - ライブドアブログ
ということでエボラの脅威はまぁものすごいことになっているそうで。

国連は世界的な広がりを見せているエボラウィルスについて、アンソニー・バリー国連特別代表は「努力が十分ではなかった」と安保理理事会で認めました。

「エボラは我々より有利なスタート地点にいる。」
「我々より早く動き、、我々より遥か先にいる。エボラはレースに勝っている状態だ。」

流行拡大を抑えるためには、少なくとも感染死亡者の70%が他の人に汚染することなく埋葬する必要があるとのこと。
「この目標を達成できれば、我々は流行拡大を回避できる。」
「これは10月1日から60日間の勝負だ。」
「そしてこれらに失敗した場合、私たちは完全に敗北する。
 指数関数的に感染者が増加するのです。」
「もはや人類は前例のない事態に直面しているのです。」

痛いニュース(ノ∀`) : 今後60日で人類とエボラの勝敗が決まる…「失敗すれば人類は敗北」国連幹部が声明 - ライブドアブログ

60日間宣言とかまぁフィクションで言う所の死亡フラグ感がものすごい。数年前の日本でもちらほら「ホウシャノーがうつる!」というバカな話が流行りましたけども、ぶっちゃけこっちは本物ですよ。
エボラ:米大統領が緊急閣議 国連、全加盟国に支援要請 - 毎日新聞
ともあれ、まぁ安全保障のレベルに引き上げてられてしまうのも当然でしょうね。この辺り『貧者の核兵器』の中でも特に防御策が困難とされる生物兵器の恐ろしさがよく解るお話ですよね。エボラさんなんてマールブルグ病の親戚として、その序列筆頭にあったりするわけで。生物兵器の何が恐ろしいって、防御するのが致命的に難しい点にあるのです。現在あるグローバル世界を形成する根幹にあるのは、移動の「速さ」と移動の「大容量さ」であり、ところがその点こそが致命的に被害を拡大させてしまう原因となる。更にはそうした移動を妨げようとすること自体が、今度は経済にダメージを与えてしまうっていうジレンマ。
故にそれは悪魔の兵器であると。


まぁそれでも、その分野の研究や政治的議論では「問題は起きるかどうかではなく、いつ起きるか」と言われ続けながらも、ここまで生物兵器が大きな事件となってこなかったのは、核兵器ほどではないにしろ化学兵器よりもそこそこ難しいからだったわけです。いくつかのカルトで狂信者な人たちが目指したものの、生産だけでなく運搬や拡散という専門知識が必要だったので、そのほとんどは失敗してきた。
ところが今の状況はわざわざ作らなくても自然発生してしまっている。もう火はついているので後は油を撒けばいいだけ。
国連総会、イスラム国とエボラ熱対策が主要議題に| Reuters
そして今回は、それに加えてイスラム国の人々が居たりするわけで。もし二つが混じっちゃったら、うわぁ大変なことになっちゃったぞ感。テロリズム=恐怖をあおるという意味ではこれ以上ない構図。陰謀論的に語られてきた殉教者攻撃に見事に合致した最悪のタイミングですよねぇ。しかもイスラム国には、生物化学兵器を真剣に研究していた、少なくない旧イラク軍の人たちが居たりするっていうね。

インディアン戦争は苛烈で、捕虜の殺害や、一般市民を攻撃目標にしたり、また他にも民間人への残虐行為が双方で見られた。今日でも知られている出来事としては、ピット砦のイギリス軍士官が天然痘の菌に汚染された毛布を贈り物にし、周辺のインディアンにこれを感染させようとしたことである。紛争の冷酷残忍さはイギリス人入植者とインディアンの間の増幅する民族間対立の反映であった。

ポンティアック戦争 - Wikipedia

今度は、イスラム国から毛布を送られるかもしれない、とおびえる人びと。あの時あったような、捕虜の殺害も一般市民への攻撃目標も民間人の残虐行為もある以上、次に『毛布』が送られないなんてこと絶対に言えませんよね。
まぁ因果は巡るなんていうと冷笑的過ぎてまったく笑えないお話ではありますけど。おそらく、わざわざビルに飛行機を突っ込ませるよりも容易でありながら、更なるダメージを『敵国』に与えることができるでしょう。そしてそれは何も多少なりとも先進的な対応が可能なアメリカそのものを狙う必要はない。ヨーロッパのどこかで、あるいは中南米で、あるいはアジアのどこかで成功すればそれは巡り巡って確実にアメリカ経済の打撃ともなるのだから。素晴らしきグローバルな世界。


贈り物を恐れる私たち。毛布だけはノーサンキューな。