今こそ(人工知能の下に)完全な平等世界を、

人工知能管理の社会の下に集い、平等と共に生きよう」



「人類の終わりの可能性」ホーキング氏、人工知能開発に警告 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
ホーキンス先生の面白いお話。まぁ人類世界そのものが変わるかもしれない、というのはその通りかなぁと。シンギュラリティの向こう側へ。

「われわれがすでに手にしている原始的な人工知能は、極めて有用であることが明らかになっている。だが、完全な人工知能の開発は人類の終わりをもたらす可能性がある」と、ホーキング博士は語った。

「ひとたび人類が人工知能を開発してしまえば、それは自ら発展し、加速度的に自らを再設計していくだろう」、「ゆっくりとした生物学的な進化により制限されている人類は、(人工知能と)競争することはできず、(人工知能に)取って代わられるだろう」

「人類の終わりの可能性」ホーキング氏、人工知能開発に警告 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

個人的に一つの可能性として思うのは、小規模血縁集団や部族社会といった一万年くらい人類社会史を巻き戻す以外に、今でも夢見る人が少なくない『平等社会』の実現の可能性はやっぱりこの方向しかないかなぁとは思うんですよね。ぶっちゃけ人間が人間自身によって社会を組織し運営している限り『完全平等』なんて不可能なんだから。


それこそカール・マルクス先生のアレを筆頭にして、国内の不平等を極小化しようとする理想主義的努力が悉く失敗に終わり死屍累々な有様なのは、そもそも一定以上――一般には数百人の規模以上――になると人間はもう自身の手だけで社会を維持していくことが不可能になり、必ずそこに階層的で様々な種類の『官僚制』を導入せざるを得なくなるという要因が大きいわけです。互いに顔を把握しきれない程度に大きな人間社会では、その集団維持に必要不可欠な法や警察機能や道徳規範を水平的・垂直的に分担していかなければ運用できない。
――しかし同時にそれは必ず権力の差を生み出すことになる。
政治的不平等は必ず経済的社会的不平等をも生むし、それは逆もまた然りでしょう。どれか一つだけを解決しても必ずそれは別の不平等へ波及して、結果として人間社会から不平等はなくならない。
まぁこんなことは近代社会に生きる私たちにとってあまりに基本的で大前提なお話ではありますよね。だからこそ、少なくとも世界中のどこの国家を見渡しても、一般に最も評価されている北欧諸国を見てさえも、それは実現していないのでした。


さて、その意味で人工知能を使えば完全な政治的「無私」を実現できる可能性はおそらくゼロではないし、少なくとも人間自身で到達できる可能性よりは、たぶん高い。人工知能に人間社会における官僚の役割を担ってもらおう。まぁ神様から宇宙や次元の向こうからやってくるオーバーロードまで、所謂『上位存在』に任せても実現できるかもしれませんけど、それが現実に顕現する可能性を比較してもやっぱり人工知能の方が近道であると言えるでしょうし。
故にもし人工知能に官僚制の代替として人間社会の維持運営を任せることが出来るのならば、それは多くの人が夢見る完全平等な社会へのゴールとなるではないかと思います。もちろん反発する声も絶対に小さくなんてないでしょう。ディストピアとほとんど変わらないと言われるかもしれない。
でも『平等』の為には人間自身の手による自立や尊厳なんて大した問題じゃないから仕方ないよね。


ということで完全な平等社会を目指す人たちこそ、人工知能によって政治的に管理される人間社会を目指すのがいいんじゃないかな。例え経済的不平等や社会的不平等があろうとも、それを再配分する政治的平等さえあれば後はどうにかなる可能性は結構あるはず。
まぁ絶対に、それこそ多くの古今東西多くのSFで描かれているように、今度はその管理する人工知能そのものを操作しようとする構図になるのもほぼ間違いないでしょうけど。


技術的特異点の向こう側にある完全平等な世界へ。
がんばれ人工知能