『9・11』後とよく似た風景

ここであの国歌を歌っちゃうのか感。


テロに抗議のデモ行進 160万人以上参加 NHKニュース
さすが革命の国フランスですよね。大盛り上がりです。

デモには、犠牲者の家族や襲撃を受けた新聞社の社員をはじめ、さまざまな政党や人種、宗教の人々が参加し、3キロの道のりを歩きました。
また、フランスのオランド大統領と共に40を超える国や機関の首脳らも参加し、ドイツのメルケル首相やイギリスのキャメロン首相のほか、イスラム諸国からヨルダンのアブドラ国王も参加しました。
また、ふだんは対立するイスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ暫定自治政府アッバス議長の姿も見られました。
現場付近の広場や道路は大勢の人々で埋め尽くされて一時、身動きがとれないほどの状態となりましたが、参加した人々は、襲撃された新聞社への連帯を示す「私はシャルリ」と書かれたプラカードを掲げたり、フランス国歌を大きな声で合唱しながら歩きました。
フランス内務省によりますと、参加者は最大で160万人に上るとみられ、フランスのメディアは「第2次大戦ナチスドイツからパリが解放されたとき以来の歴史的なデモだ」などと伝えています。
フランス国内では南部のマルセイユや中部リヨンなどでも同様のデモが行われ、パリを含めた参加者は370万人を超えるとみられています。

テロに抗議のデモ行進 160万人以上参加 NHKニュース

「自由を、愛しき自由を、汝を守るものといざ戦わん」なんて。ひたすら勇ましい『ラ・マルセイエーズ』は確かに行進しやすいかもしれない。一方日本の国歌を合唱しながら歩くのはかなり辛そう。行進ていうか送葬感。


ともあれ、まぁタイトルにも書いたように、アメリカでの同時多発テロの直後とそっくりな盛り上がりですよねぇ。愛国心というだけでなく連帯や調和を大正義に叫ぶ人たちに、それに各国首脳が次々と同意する。反論の余地はないわけではないものの、しかしそれを言うのは「空気が」許しそうにない。昨日の日記でも犯人の会話にありましたけど、これでまたフランスは見直すどころか更にアフリカや中東での『対テロ戦争』に傾倒していくことでしょう。あれだけ子ブッシュさん時代のアメリカを笑っておいてフランス自身もこのザマっていうのはそれはそれで愉快なお話ではありますけど。
この点について、今日の読売新聞11面のエマニュエル・トッド先生へのインタビューが面白かったです。

(前略)
私も言論の自由が民主主義の柱だと考える。だが、ムハマンドやイエスを愚弄し続ける「シャルリー・エブド」のあり方は、不信の時代では、有効ではないと思う。移民の若者がかろうじて手にしたささやかなものに唾を吐きかけるような行為だ。
ところがフランスは今、誰もが「私はシャルリーだ」と名乗り、犠牲者たちと共にある。
私は感情に流されて、理性を失いたくない。今、フランスで発言すれば「テロリストにくみする」と受けとめられ、袋だたきに遭うだろう。だからフランスでは取材に応じていない。独りぼっちの気分だ。

やっぱ『9・11』直後の雰囲気だよねぇと。