あれは権利保護ではなく保護(物理)なのよ

日本で加害者がリンチされる可能性はどれくらい?



インドで7歳少女の首つり遺体発見、「レイプ犯」らに住民が暴行 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
まぁこれって「文明的な」私たちからするとまるで異世界ではありますけども、ぶっちゃけどこでも見られる風景ではあるんですよね。だからこそ先日の日記でも書いたように、被害者だけでなく加害者もまた警察は「保護」する必要があるわけで。『私刑』から犯人・容疑者を守る為に。

――重要な大前提は、そもそも国家における司法制度の究極の存在意義というのは、別に被害者を救済する為でも加害者を懲らしめる為でもなくて、目的は社会平和の維持という点であります。犯罪者を罰するだけでなく被害者による復讐をも抑止する、つまり暴力装置を独占することで社会を平和的に安定させる。そしてその為にこそ、刑罰にどのような意味を付与するかがそれぞれの社会でそれぞれの基準で決められている。

「少年法ウェーイwwwwww」な悪魔は滅ぼされるべきである - maukitiの日記

今回のインドの例を見ると大変よく解るお話。


川崎中1殺害事件の犯人現場検証がとんでもないことに! 保護しすぎ | ゴゴ通信
その意味で言えば、「みんなー!」AAを思い出す光景となった、カワサキ国事件の現場検証もまぁ理解できないお話ではありませんよね。

川崎中1殺害事件で逮捕された3人の少年の内1人の少年が、本日事件現場である河川敷で現場検証が行われた。ただその現場検証に立ち会う姿が異常なのである。少年は少年法に守られており上空からは空撮のヘリ、そして多数のマスコミがまだ現場に居ることからどこからも撮影できないように完全な包囲網で少年を現場検証させた。

そのやりかたは灰色の布状の物で少年を覆っており、四方八方から見られないようにしている。

ネットや一部週刊誌が18歳少年の名前と顔写真を公開したことから、警察側は慎重になっているようだ。ただ今回現場検証に立ち会った少年は3人の内どの少年かはあかされていない。

川崎中1殺害事件の犯人現場検証がとんでもないことに! 保護しすぎ | ゴゴ通信

あれは何も加害者の「権利(笑)」だけを守っているのではなくて、それこそ彼がその後に受けるかもしれない『私刑』を防ぐためにもやっているわけで。この事件に対する反応なんかを見るとやっぱりこうしてバカげたほどに配慮している彼らのやり方も理解できなくはないかなぁと。ちなみに日本やアメリカと比較して、ヨーロッパが何故先進的かというと、ただ刑務所内の扱いの「優しさ」というだけでなくその後の犯罪者の扱い=犯罪歴を知られずに済む権利なんかが充実しているからこそ、そう言われるんですよね。それらは「報道の自由」や「知る権利」よりもずっと重いと設定されている。だからこれって単純に権利意識云々というよりは、その社会における自由権の位置付けや因果応報などの文化に関わるお話でもあるんですよね。
――日本がそうした地平にたどり着くことが出来るかというと、まぁどうかなぁと。
ともあれ、人々の素朴な怒りを喚起するようなふざけた事件であればあるほど、警察はその「保護」に全力を注がねばならなくなっていく構図。まぁ皮肉といえば皮肉なお話ですよね。


みなさんはいかがお考えでしょうか?