「おんなのくせになまいきだ」の世界

それを脱する為の過渡期と見ていくしかないのかなぁと。


インドでレイプ被害者の射殺相次ぐ、男2人を逮捕 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで単純に犯罪問題云々というよりは、むしろ『女性の権利』がないがしろにされまくっているインドさんちの過渡期故の生みの苦しみのニュースかなと。
AFPさんちなんかが特に報道に熱心で、同サイトの事件欄なんかを巡回観測しているとよく解りますけども、まぁインドさんちの女性蔑視というか、そもそも人間扱いすらしない権利意識はすごいものがあるわけですよ。
中国とインドに集中する「失われた女性」たち、その背景にあるもの 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
アマルティア・セン先生が言うところの「失われた女性たち」とされる環境におかれる人たちについて。
よく出羽守風に日本のそれを批判する人が居ますけども、そんな日本のそれと比べてすら次元が違うというレベル。子供が女の子だったら「よしハズレだ殺そう」というのが農村ではまだそこそこ根付いている社会、というのはホント現代先進社会に生きる私たちからすると既知外な世界であります。

シタプールから約400キロ離れたマウ地区で13日に起きた事件では、レイプ被害者とされる18歳の女性が、同地区のダクシントラ(Dakshin Tola)周辺で2台のバイクに乗った6人の男のグループから銃撃を受け死亡した。地元警察関係者はAFPに対し、男1人を逮捕し、残る容疑者の行方を追っていることを明らかにした。女性は2011年に2人の男による集団レイプ被害に遭ったとされ、この事件に関する判決は今週下される予定だったという。

レイプ容疑者が被害者を脅迫する事例はインドでは珍しくなく、多くの被害者が泣き寝入りを余儀なくされているが、殺人事件に発展するケースはまれだ。(c)AFP

インドでレイプ被害者の射殺相次ぐ、男2人を逮捕 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

今回も言ってしまえば、身も蓋もなくそういう社会だからこそ、の事件でしょう。なんで女をレイプしたくらいで逮捕されなきゃいけないんだ的な逆恨みは、(私たちからすると)死ぬほどバカげた女性蔑視価値観がまずあるからこそ生まれるわけで。観光客なんかもしばしば被害にあうのは、治安問題と言うよりはそもそも女性の扱いという致命的な価値観の相違があるわけですよ。
犯罪を非難するだけでなく、こうした根っこから改善されていかないと、正直どうしようもないよねぇと。


この問題が厄介なのは、それこそ女性の公民権運動から続くお馴染みの風景ではあるんですが、ただ男性たちにだけ偏向があるという点にはないわけですよね。つまり当時にあったように「女性が選挙に行くなんてはしたない」という女性側からの意見も少なからずある、という点がこうした問題の解決を一層難しくしているわけですよ。
そうする理由は様々――本気で信じているのかそれとも無用なトラブルを避けるためだと諦観しているのか――ながら、女なのだから男(父親)に従いなさい、と伝統に従って娘を育てる母親は少なくない。その構図で言えば、悲しいことに女の敵は同じ女でもあったりするのは珍しくない。
かくして伝統は社会的価値観として再生産されていく。


こうした「人間扱いされない女性たち」という問題はもちろんインドだけでなく、サウジなんかを筆頭に中東諸国でも結構当たり前に行われていて、それを改善と私たちが押し付けることにどこまでコミットするか、というのはやっぱり難しい問題なんですよね。
まず間違いなく「こちら」から見ると愚行でしかないそれに、どこまで介入できるか。本気でやればそれこそ『文化』や『文明』の衝突となってしまう以上、やるならば慎重に配慮してやらなければならないわけで。


上記のような心底ふざげた事件について。その女性蔑視をバカにするのは簡単ですけども、そこに宗教や文化や伝統や社会通念という要素が多分に入っている以上、やはり外部から直接に指導するような解決は簡単ではありませんよね。


みなさんはいかがお考えでしょうか?