民主主義国家の戦争前夜。
パキスタン、インドの「空爆」に対抗すると カシミール地方で緊張高まる - BBCニュース
パキスタン軍、「インド空軍機2機を撃墜」と カシミール緊迫 - BBCニュース
ということで印パがヤバいそうで。
カシミール地方では14日にインド側で同国警察隊を狙ったテロがあり、少なくとも40人が死亡して以来、両国間の緊張が高まっていた。
インドはさらに、領空での飛行制限を発表したとされる。ヴィスラタ航空によると、カシミール地方周辺のフライトは中止された。
停戦ラインを超えた空爆は、1971年の第3次印パ戦争以来。
停戦ラインを超えた砲撃も続いており、26日の攻撃ではパキスタン市民4人が死亡したほか10人が負傷した。インド当局によると、インド側では兵士5人が負傷したという。
停戦ラインに近いラジューリ地区とプーンチ地区では、学校が閉鎖された。周辺の住民には避難指示が出された。
パキスタン軍、「インド空軍機2機を撃墜」と カシミール緊迫 - BBCニュース
思ったよりガチでマジだった。48年ぶりの越境爆撃とかマジパなーい!
――と思ったけど、よく考えたら欧米(というか主にはアメリカ)基準で考えると、中東を中心に割とナチュラルに『越境爆撃』やるのが日常業務ではあるので、そうした日常風景を見てインドが「なら俺もワンチャン」と考えても不思議ではないお話かなあ。
対テロ戦争だからセーフというのは、ここ20年においては全世界の誰もが同意できる共通の合言葉だったわけだし。
単純にそれができる能力という面だけでなく、クリントンに始まり、子ブッシュ、オバマ、そしてトランプと、アメリカが主導してきた世界のルール・スタンダードも変わったのだ。
いやまぁさすがにあの狂犬アメリカだってさすがに相手を選んでいて、まさかロシアや中国にはやってないので今回の件とは次元が違うというとその通りなんですけど。
最近では私たちの極東アジア含め様々な『火薬庫』が言われていますけども、やっぱり古参の意地を見せてきたという感じだよね。伝統と格式ある『核の』火薬庫としての印パのカシミール問題。核戦争の可能性という意味では今も昔も首位争いをし続けてきた歴史は伊達じゃない。
『MOONLIGHT MILE』で見たからぼくしってる!
ともあれ、面白いというか、悲劇的というべきか、いつか来た道というか、いつかまた往く道というか、個人的にとってもインタレスティングなのがこの事件を受けての両国国民の反応だよなあと。
パキスタンのシャー・マフムード・クレシ外相は、インドは5月の選挙に向けて「利己的で無謀な虚偽の主張」をしていると述べた。
また、イムラン・カーン首相も出席した国家安全保障委員会の会合は、今回の空爆に対してパキスタンが「時期と場所を見て対抗措置を取る」という警告を発した。
インドのナレンドラ・モディ首相は26日、ラジャスタン州の政治集会に出席していた。空爆については直接言及しなかったものの、聴衆に対し「貴方たちの熱意とエネルギーを理解している。今日は我々の英雄たちに頭を垂れる日だ」と語った。
パキスタン、インドの「空爆」に対抗すると カシミール地方で緊張高まる - BBCニュース
ほんとにお菓子配ってる人たちいた。→インド軍による襲撃を喜び、BJPの議員の先導で党職員たちがハヌマーン寺院にサワー・クンタル(125kg)のラッドゥーを供え、配ったとのこと。 pic.twitter.com/8qN788Aw5V
— Tomoka (@muskaan_10) 2019年2月27日
やっぱり文字通り「先進国」たる私たちがいつか来た道であって、インドあるいはパキスタンの無分別な国民の熱狂を責めるのはフェアではないよね。
戦争こそ国家を一つにしたあの時代。
それこそ現代世界においても尚、あの『9・11』後のアメリカだって(少なくとも民主主義政治で可能な全会一致というレベルで)ほとんど誰もが、彼らの言う所の防衛的戦争=対テロ戦争を始めることに賛成したのだから。私たち日本も属する国際社会も含めて、少なくともアフガニスタン戦争前夜において、戦争反対派なんて政治的にはまったく無視していいレベルの極小の存在感しかなかったのだし。
戦争だ! ついに戦争が始まるのだ! - maukitiの日記
あるいは、あのカダフィが居たリビアに現在まで続く無秩序状態をもたらしてヨーロッパによるリビア軍事介入でも。
いやあアメリカもフランスも野蛮よね。
もちろんここで「であればこそ、ヘイワケンポーのある日本はすばらしい!」と、左右問わず一部の人たちが大好きな『日本特殊論』や『日本スゴイ論』を唱えることはできますけども、個人的にはそこまで私たち日本国民の冷静さを信じる気持ちにはなれないかなあ。
良くも悪くも、上記アメリカやフランスが見せた国民の支持と、そしてつまり今回のインドやパキスタンが見せる熱狂と私たちも大差ないだろうと思うよ。
さて置き、1914年当時戦争の始まりに熱狂するベルリン群集の描写の一つの例として、こういうものがあります。
戦争だ! ついに戦争が始まるのだ! - maukitiの日記「顔見知りの人間は誰も居なかった。それでも全員が一つの熱い感情をともにしていた。戦争だ、戦争だ、そして誰もが一つに結ばれたのだ。
防衛戦争だ! 愛国戦争だ! 正義の戦争だ!
世界が平和でありますように。