ハクトウワシの背に乗って

私たち日本人も自分の非力を嘆くのをやめるべきなのだろうか?



ミャンマー国軍、戒厳令の対象地域拡大 1日の死者はクーデター以降最悪の50人に - BBCニュース
ミャンマーで残忍な弾圧続く 戦場用の武器でデモ参加者を銃撃 - BBCニュース
ということでミャンマーの大騒ぎは続いているそうで。
個人的には、ぶっちゃけここまで「炎上」するとは思わなかったので予想外の展開でありました。良くも悪くも軍政慣れしているから反対運動もそこまで盛り上がらないだろう、なんて。
色々と問題もありましたけどアウンサンスーチーさんの遺産と言ってもいいのかもしれない。

クーデター以降、国軍は抗議行動を鎮めるために殺傷能力のある武器を使用し、数十人の死者を出している。この状況は国際的に広く非難されている。

アメリカはクーデターの指導者に対する制裁を発表するとともに、米国内に保有する10億ドル(約1000億円)のミャンマー政府資金に国軍がアクセスできないよう遮断する措置を講じている。

国軍は自らの行動に対する批判を一蹴し、アウンサンスーチー氏に暴力行為の責任があると主張している。

ミャンマー国軍、戒厳令の対象地域拡大 1日の死者はクーデター以降最悪の50人に - BBCニュース

そして更には、軍政側の強硬的な対応という意味でも。
いやまぁ香港でもそうだったし、もう少し時をさかのぼればアラブの春でも割と見られた光景(=見ているだけな私たち国際社会)ではあるので、その意味で取り締まる側が国際社会に青信号が灯っていると勘違いするのも無理はないのかもしれない。
アメリカ バイデン政権 ミャンマー軍幹部2人に対し新たに制裁 | ミャンマー | NHKニュース
米 ミャンマーに輸出規制の追加制裁「加害者たちに責任を」 | ミャンマー | NHKニュース
ところがぎっちょん、2021年の今はオバマでもトランプでもなく、俺たちのバイデンの時代だったのだ!



日本のマスコミが報じなかった、日米“2+2”会合「重要発言」の内容(篠田 英朗) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
ということでこれまでは割とあいまいな態度で誤魔化していた人権問題が、アメリカだけでなく私たち日本の喫緊の重要な外交課題として浮上しているのは面白い構図だよなあと。
中国のウイグル問題が割と腫れ物を扱う構図になっているからこそ、むしろ相対的により鮮明な態度が求められるようになっているミャンマー
それは中国に対する間接的なアピールという意味でもそうだし、あるいは中国に直接関係ないからこそここできちんと人権問題のレッドライン=ハードルを設けておきたいという人権外交を重視するバイデン政権の思惑でもある。

笹川会長らの努力を踏みにじらないためにも、日本の立ち位置をはっきりさせるべきだ。このままでは、日本は、虐殺集団を眼前にしても、民衆のために怒りを表明することもなく、ただ強者と融和しようとする以外には何もしない国だということになってしまう。


(中略)


そのような近視眼的な事なかれ主義は、やがて日米同盟やFOIPの「価値観外交」の土台も揺るがせ、日本外交を袋小路に追いやってしまうだろう。まだ遅くない。そのことに、早く気づいてほしい。

日本のマスコミが報じなかった、日米“2+2”会合「重要発言」の内容(篠田 英朗) | 現代ビジネス | 講談社(1/5

篠田先生は、バイデン政権の後を追って人権問題に強い態度を示すべきだと指摘している。
はたして私たち日本人は一体どのような態度を採るべきなのでしょうね?


ちなみに『普遍的』人権を重視する自称リベラルな僕の個人的意見としては、きちんと制裁に加わるべきだと思うよ。
――しかしそうした人権外交というのはまぁ高い確率で、(中国を念頭に)国際関係に更なる摩擦とカオスを引き起こしていくとも思うよ。
イワシュギを愛する私たち日本人にそれが耐えられるかと言うと……、うん、まぁ、そうねえ。


リベラルな人権問題か、あるいはリアリズムな国際関係の安定性か。
まぁ国際関係における古典的でいつものジレンマではありますよね。
まさかミャンマーでその覚悟が問われることになるとは、やっぱり思っていませんでしたけど。あの辺でよく起きているいつものクーデターの光景として消化されていいくものだとてっきり。
ところが、バイデン政権の誕生と、中国へと牽制、という二つの外的要因によってその問題は大きな注目を集めるようになってしまった。
その意味では確かに抗議運動をするデモの人たちの勝利と言えるのかもしれない。
香港ではこうした動きが事実上敗北(リベラルを自称する我々の事実上の沈黙)したわけだしね。
はたして今回は?



ということで様々な要因から、国内問題から大きな国際問題になりつつある、軍事政権に揺れるミャンマーについて。
みなさんはいかがお考えでしょうか?