予防と事後対処を混同している例

他国が日本に攻めてきたとき、軍隊に国民の生命と財産を守ってもらう必要があるという意見は一見もっとものように感じます。しかし、そもそも他国が日本に攻撃してくる具体的な可能性があるとは私には思えませんし、そんな心配よりも地震列島なのですから国には地震対策などの災害対策をしっかりやってもらいたいと思いますが、それでも万が一に備えるのが国の責任ですから、そういう意味ではこうした不安ももっともだと思います。

しかし、こうした不安を持たれる方が期待するように、軍隊は国民の生命と財産を守ってくれるのでしょうか? 残念ながらそうではありません。
(後略)

軍隊は国民を守らない、軍隊の存在が国民の安全を脅かす | すくらむ

まぁその通りだと思う。


消防官の出番が来た時点で、既に火事は起きているし。
警察の出番が来た時点で、既に犯罪は起きているし。
風邪薬の出番が来た時点で、既に風邪は引いているし。
医者の出番が来た時点で、既に病気・怪我に掛かってるいるし。
エアバッグの出番が来た時点で、既に事故は起きているし。
軍隊の出番が来た時点で、もう戦争は起きている。


軍隊の出番が来た時点で、既に国民は生命・財産に何らかの被害を負っている。


軍隊って役に立たない!
まったく世の中は無駄な事ばっかりだね!


以下、どちらかと言えば、
「軍事には軍事で」じゃなく他国との対話と共存こそ必要 - 憲法9条は戦争ふせぐ最良の方法 | すくらむ
についての日記。

後藤隊長が良い事言ってる

ゆうきまさみ機動警察パトレイバー』より

「警察と言うのは風邪薬と同じ。根本的に手遅れの状態なんだ」

だからって警察を無駄なんて言う人は居ないわけで。
(被害者が出て)事件が起きた後に、犯人を逮捕する。それが普通。


軍隊だってその出番が来た時点でもう既に戦争は始まっている訳だから、根本的に被害が出た後に働く。
それを以って「軍隊は国民の生命と財産を守ってくれるのでしょうか? 残念ながらそうではありません。」と言う事は確かにできるけど、
事後対処でしかないんだから当然ですよね。軍隊の出番が来た時点でもう手遅れ。


勿論上記例群も含めて、基本的には多少の予防効果もある。
けど本質的にこれらはあくまで「事後対処」でしかない。「予防」じゃない。
「事後対処」に必要なものと「予防」に必要なものを一緒だと考えるのは危険すぎる。


だから「軍隊とは保険である」なんて言われる。

軍隊は「ほぼ掛け捨てであんまり割りに合わない保険」です

そして勿論、その保険が降りたとしても結局破滅してしまう可能性はあります。
ただし、世界各国の加入率は99%を越えて、ほぼ100%です。


生命保険に入るかどうかは当然個人の自由です。
だけど極普通の一般家庭の大黒柱なら、当たり前のリスク管理として当然保険に入る。
だってもしその人に何かあったら残された家族はどうなるの?


勿論掛け金がもったいないから入らない、
経済的負担が重いから入らない、
そうした選択肢を取る事は確かにあります。
でも、もしもの事を考えたら入るべき、というのが一般的ですよね。守るべき物があるなら特に。


結局この辺の議論になるのかなとは思う。
「保険が高すぎるからやめるべきだ!」という意見も理解できなくは無い。
「家計が苦しいから保険をやめよう!」という意見も当然あると思う。
そして「万が一の事を考えて、もっと高い保険or安い保険に入ろう!」という意見も。


しかし良くある例が、
「保険金目的の殺人・詐欺が怖いから保険はよくない、やめよう」とか。
保険が悪用されたら(軍隊が悪用されたら)云々なんて、保険の存在意義・必要性とは全くの別問題です。
勿論それはそれで別に議論すべき問題ではありますけど。


さて、1億2千万人の家族を支える大黒柱の日本政府さんは、保険に入るのをやめるべきですか?