人類が一つになるのに足りなかった物

 昔は“21世紀”という響きを聞くと、空飛ぶ車がビュンビュンと飛び交い、瞬間移動ができて、ロボットたちと共存している…というような華々しい未来を想像していましたが、いざ実際になってみると、10年前、20年前とたいして変わらないですよね。そこで今回は、アニメなどで昔の人が思い描いていた2009年と現実の違いを考えていきたいと思います。
(以下略)

http://www.excite.co.jp/News/column/20090703/Trendgyao_244161.html

皆が認めるように、多くの有名どころの作品のような社会変化は訪れなかった。
極めて現実的な視点から言えば、まぁノストラダムスの予言を信じるようなものなのかもしれないけど。
結局、昨日の続きが今日であって、今日の続きが明日であったと。


科学技術進歩の例はさて置き、
僕は多くのSFにあるような大きな社会変化*1が起こらなかったのは、
ビジター――異星人とか知的生物──との遭遇が無かった事だと思うんですよね。


かつて、自分の家族、村、言語、宗教、地域、国、人種、以外が「人間」じゃなかった時代。
その時代はまさに「未知との遭遇」だったと思うんですよね。
新しい異人種が増える度に、それまでの異人種から同一性を見つけて大きく一つになっていく。


翻って、そうやって地球のほぼ全てを見て回った現在、もう新しく見つけるものはない。
自分達がより大きな一つだと思う心理的圧迫の理由が無くなった。
人種、宗教、国等にある程度は一つにまとまったけど、それから先が無くなってしまった。
これが幸か不幸かは解らないけれど。


もし、人類以外のビジター――それが異星人・知的生物でも、または人工知能でも――が居たら旧来の人類とそれ以外で区別する事ができたのに。
だけど、結局2009年になっても地球には誰もやってこなかったし、HALも産まれてこなかった。
さびしいですね。



まぁ結局「自分達以外」という鏡が無いと、自分という姿が見えないんだろうなぁと思います。
較べる物が無ければ何も解りませんよね。
そう考えると、「人類は皆一つ!」なんて言われても、全然違うじゃんとしか言えないような。
だって自分達以外の知的生命体は存在しないんだから。今まで当然バラバラだと思ってきた。そして何事も無く今もバラバラだと思っている。
いやー、人類統一への心理的な壁は大きい。


穏当に人類が一つになるのは当分無理そうです。
他の可能性としては、(物理的)統一制覇か宗教だけです。どちらもロクでもないな!

*1:例えば地球統一政府とか