かつてアーケードゲームという物があったのじゃよ

【切込隊長】そろそろ「無料」と銘打つのはやめにしないか,オンラインゲーム業界は - 4Gamer.net
4gamer上での切込隊長連載のコラム。


オンラインゲーム業界構造のアレコレとか。
現役から見てもなるほど、と思う。
やっぱりネトゲの現状は手詰まりですよね。未来は暗い。泣ける。


特にこれ。

 業界がこのような環境になってしまったが故に,オンラインゲーム市場ではびっくりするようなアイデアの小型タイトルはすっかり影を潜め,大手企業の繰り出す大型シリーズタイトルの大型ゲームか,制作費が安価なカジュアルゲームに二分化されてしまった。
 いや,悪いと言いたいわけじゃないのだが,結局オンラインゲーム市場という奴は,生き残った大手ポータルに居着いた,60万人ぐらいの課金してくれるプレイヤーをぐるぐる回し合っているだけの市場になりつつある。客観的に見て,これはとてもヤバイ状況だ。
 とにかく新規の顧客がいないので,お金を払ってくれるコアでヘビーなユーザー,すなわち「廃人」プレイヤーをとにかく引っ張り込める仕掛けを用意するほかに,ゲームを採算ベースに乗せるための方法がなくなっている,それがオンラインゲーム業界のここ数年の問題なのである。

NCソフトの第一四半期売上出てた - maukitiの日記
以前書いた日記でネトゲ、特にMMORPGが大作嗜好に流れる理由として、
「プレイ時間の無駄を嫌った結果」として人気のある=大作に多くが流れるんじゃないか、と書いた。
その流れる過程に何が起きるか、という話。


そこで何が起きているかというと、
コアユーザー=廃人を大量に集めて、そしてその効果を「人気がある」と煽って更にライトユーザー=一般人を集めるという状況。
その限られた「課金してくれるコアユーザー」を奪い合う事になっている現状を、切込隊長はヤバイと言っているわけだ。


俺より強い奴に会いにいく、その結果

この絵をどっかで見たことあるなぁと考えたら、
アーケードゲームで先鋭化を続け、そして衰退した、格闘ゲームやらシューティングゲームなんだと気付いた。


かつて攻撃必殺技ガードジャンプと単純だったものに、
ダッシュ、空中ダッシュ、追い討ち、受身、キャンセル、必殺ゲージ、と様々な要素を追加していった。
いわゆる廃人層の要望に応える為に。
格闘ゲームはその複雑なシステムを次々と実装していった結果、
まず「複雑なシステムありき」の格闘ゲームは、ほぼ一般人を受け入れない状況となってしまった。
新規を受け入れなければいつかは衰退してしまうのに、しかしその進化を止める事はできなかった。
同様に、シューティングゲームもその難易度向上や稼ぎやらパターンやらで、同じ道を辿った。


そしてネトゲもその課金してくれる人達の為の「廃人仕様」は、確実に一般層のニーズから離れていっている。
廃人を集める為、必要な投入時間・投入金額量の上昇でどんどん足切りをしていっているのだ。
こうして、ネトゲをやめる人>新しく始める人、の割合が無視できない程の差となっていく。


本来、コアユーザー=廃人を集める事によって、その周囲の一般層を取り込むはずが、
廃人を集めようと先鋭化していった結果、逆にそれ以外の層からの興味を失う事となってしまっている。
ネトゲは廃人ゲー過ぎてついていけない」と。


この点でかつてアーケードゲームの格ゲーやSTGが辿った道を、ネトゲも同様に歩いているんだと思う。


そう考えるとネトゲの未来は確かに暗い。
廃人を集める事に必要な物が、一般層から拒否を受けているのだから。
しかし金を落としてくれる廃人を切り捨てる事はできない。


なら一体どうすればいい?
結局この辺の話に落ち着くという普通の話。